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2014 年度 実施状況報告書

非経皮的骨導音を利用した食道音声支援用骨導マイクロホンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25350675
研究機関北海道医療大学

研究代表者

前田 秀彦  北海道医療大学, 心理科学部, 助教 (90632604)

研究分担者 西澤 典子  北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (10374266)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード食道音声 / 骨伝導マイクロホン / 直接骨導音 / 経皮骨導音 / 加速度ピックアップ / 食道音声支援用携帯型拡声器 / 喉頭摘出者支援団体 / 食道発声
研究実績の概要

本研究年度において、我々は皮膚を経由しない骨導音声(直接骨導音)を利用した、食道音声支援用骨導マイクロホン開発のための基礎研究を行った。骨固定型補聴器を装用している成人を被験者とし、1)発声時の骨導音を導出するために使用する、加速度ピックアップの物理的特性(感度)の影響を調査し、2)無騒音環境下・騒音負荷環境下における、発声時の直接骨導音の導出を行い、その音声品質について調査を行った。その結果、以下のことを明らかにした。
1)高感度の加速度ピックアップを使用した場合、低感度の加速度ピックアップを使用した場合と比較すると、高感度の加速度ピックアップは、直接骨導音の高周波数成分を4000Hz付近まで導出することが可能であった。2)無騒音環境下において発声した音声(単音節)について、音声の明瞭性を評価するために聴取実験を行った。その結果、直接骨導音の平均正答率(56.7%)は、経皮骨導音の平均正答率(14.7%)を大きく上回っていたが、目標とする気導マイクロホン音声の平均正答率(76.7%)には及ばなかった。しかし、音声の歪み度合いを計測したところ、直接骨導音は、経皮骨導音と比較すると音声の歪みは軽減し気導マイクロホン音声に近似していた。一方、騒音負荷環境下における、音声の明瞭性に関して評価したところ、直接骨導音の明瞭性は、気導マイクロホン音声の明瞭性を上回る結果であった。騒音負荷量が強いほど、気導マイクロホン音声の明瞭性は認識不能まで低下するが、直接骨導音の明瞭性は騒音負荷量に依存せず、高騒音負荷環境下においても音声の明瞭性が保たれていることが明らかになった。これは経皮骨導マイクロホン開発時に明らかにされていた、騒音負荷環境における骨導音声利用の利点が、直接骨導音においても成立することを明らかにしたと言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究年度において、加速度ピックアップの物理的特性の影響と騒音負荷環境下における直接骨導音声の音声品質について評価を行う予定であったが、概ね研究計画通りに進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

骨固定型補聴器のインプラントを利用し直接骨導音を導出していたが、実用的なマイクロホン作成のために、新たな導出経路(歯など)の確保が課題である。既に口腔内からの音声導出に向け、小型の加速度ピックアップを購入済みである。今後は、ボランティア被験者を対象とし、歯からの直接骨導音の導出計画を立案中である。

次年度使用額が生じた理由

謝金等の人件費や旅費の支出が少なかった。また、次年度における新システム構築のための必要経費として繰越をした。また、研究成果報告用ホームページの作成を次年度に先送りしたため、次年度への繰越金が発生した。

次年度使用額の使用計画

小型の加速度ピックアップの購入、開発など、新システムの構築のための経費として計上する。研究成果報告用ホームページの作成費用などに計上する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 喉頭摘出後の食道音声使用者に対する実態調査2014

    • 著者名/発表者名
      前田秀彦、玉重詠子、西澤典子
    • 雑誌名

      音声言語医学

      巻: vol.55 No.3 ページ: 226-232

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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