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2014 年度 実施状況報告書

力覚呈示機能を有する舌用スティック型入力デバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25350676
研究機関東北学院大学

研究代表者

梶川 伸哉  東北学院大学, 工学部, 教授 (80290691)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード舌用インターフェース / ジョイスティック / 力覚呈示
研究実績の概要

前年度試作した操作反力を制御できるジョイスティックデバイスは、サイズが大きい、操作力の変化幅が想定したものに達しないなど改良すべき点があった。また、スティックの操作方向によって、操作力を調節できない機構上の問題点も発見された。
そこで、本年は、まず、昨年採用した基本方式を継承しつつ、構成要素とその配置を再検討し性能面の向上を図った。具体的には、4枚の弾性板とスティック先端の接触干渉を利用することで実現していた操作反力調節機構に対し、今年度は超弾性合金梁を用いることにした。4枚の弾性板は、スティック先端の前後左右の方向にそれぞれ配置されたものであり、その方向に対しては確実な操作反力を提示できるものであった。しかしながら、斜め前、斜め後ろ等の方向に対しては、弾性板とスティック先端の接触が不確実なものとなり、想定した反力の提示が困難であった。そこで、スティック先端の周囲360°を囲むように24本の超弾性合金梁を配置し、全方向への反力呈示を可能とした。また、サイズの縮小化(ほぼ1/2)も同時に行った。この結果、操作反力は、昨年度試作器の3.5倍強に範囲を拡大することができ、また、全方向にも対応できるものになった。
さらに、1軸ロボットアームを用いてデバイス操作の有効性について検証した。進行方向に障害物を検出した時にスティック剛性を高める(より大きな操作反力が呈示される)ような設定を行った。その結果、スティックの操作力の変化を通して、使用者にその存在を知らせることができ、衝突を回避する操作行動を誘発できることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年に明らかになった改良点を克服することができた。また、調節できる操作反力の範囲について、実際に人が舌の感覚を通して、その違いを感じ取ることができることを実験的に確認できた。さらに、その機能の有効な利用法としてロボットアームの制御実験を行い、操作力の制御を通して、ロボットが得た周囲の状況を人側に伝えることができ、安全で器用な操作が可能になることが確認できた点にある。

今後の研究の推進方策

今後は、多方向への操作反力を独立して制御できるように改良を行うことが挙げられる。また、独立した反力呈示機能を利用したロボットアームの操作性の向上について確認する予定である。さらに、操作対象を電動車椅子へと拡張し、安全な操作の可能性についても検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験に使用する予定のロボットアーム、グリッパシステムは当初、新たに開発する予定であったが、機能検証用として、当初の予定より単純化した構造のアーム・グリッパシステムを構築したため、製作費用を抑えることができた。

次年度使用額の使用計画

ジョイスティックデバイスの機能と利用可能性を図るため、多自由度を有するロボットアーム・グリッパシステムの構築と電動車椅子の製作に使う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Compact Variable Stiffness Joint with Force Sensing Ability-Application to Classify Contact Surfaces2015

    • 著者名/発表者名
      Shinya Kajikawa, Aruto Suzuki
    • 雑誌名

      Journal of Automation and Control Engineering

      巻: 3 ページ: 215-221

    • DOI

      10.12720/joace.3.3.215-221

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 操作反力の調節可能な舌用ジョイスティック2015

    • 著者名/発表者名
      梶川伸哉、高橋恭平、三原明秀
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクスメカトロニクス講演会
    • 発表場所
      京都勧業館(京都府京都市)
    • 年月日
      2015-05-17 – 2015-05-19
  • [学会発表] 力覚呈示機能を有する舌用入力デバイスの基本設計2014

    • 著者名/発表者名
      梶川伸哉、菅原慎彌、鈴木貴大
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクスメカトロニクス講演会
    • 発表場所
      富山国際会議場(富山県富山市)
    • 年月日
      2014-05-25 – 2014-05-29

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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