我々の研究目的は前腕切断者の残存筋から導出した多チャネルの筋電位を用い切断者の意思に従った手指の動作を推定するマンマシンインタフェースを構築することである。我々はまず手指の高精度な動作推定を行うための電極位置推定手法を開発し、これにより5指の動きを含めた手指の18動作で平均96%以上の認識率を達成した。次に義手が物体に触れる感覚を切断者に非侵襲な方法で提示し、義手の動作に伴う力を筋電位で制御するクローズドループシステムを確立することを目標とし研究を行った。ここでは切断者の上腕部にカフを巻き、カフ圧が義手のハンド部が受ける力に応じ変化する機構により物体を把持する感覚を提示する手法を開発した。
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