研究課題/領域番号 |
25350683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
松田 康広 神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (80329309)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヒューマンインタフェース / コミュニケーション支援 |
研究概要 |
盲ろう者と健常者のコミュニケーションを支援する、打点教示システムの開発を進めた。打点教示システムは、指点字を習得していない健常者の音声を認識し、その発話内容に対する指点字の打点方法を教示する支援システムである。健常者は教示された打点パターンを見ながら、盲ろう者の指に指点字を打点する。打点教示システムは、初心者には正確な打点を、慣れてきた人にはより自然な打点を実現できるように支援する。 打点教示システムは、健常者が左手(非利き手)で操作する必要があり、タッチパネルを使用したインタフェースが有効である。非利き手による打点教示システムの操作性の向上と、システムの普及促進のために、どのようなタブレット端末が適しているか、試作・評価を行った。まず、10インチおよび8インチWindows 8タブレットPCを用いて、打点教示システムを開発した。また10インチ、7インチおよび5インチAndroidタブレットを用いて、打点パターンを表示する教示インタフェースを設計した。10インチと7インチのAndroidタブレットについて、どちらの教示インタフェースが適しているかを明らかにする評価実験を行った。新たな打点パターンとして、キーボードのキーを押すイメージを用いた打点パターンを設計し、既存のパターンとの評価実験を行った。 打点教示システムは、発話内容の伝達だけでなく、抑揚表現の教示にも慣れた健常者が感情表現できる、感情打点教示を目指している。教示インタフェースの背景色や打点パターンなどを変えることで、健常者にどのような感情や打点の強さや速さを誘起するかを明らかにする実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Windows8タブレットPC上での打点教示システムを開発し、Androidタブレットでの打点教示システムの開発に着手し、10インチと7インチのAndroidタブレットについて教示インタフェースの設計・評価を行った。感情表現を誘起する教示インタフェースの設計・評価にも着手し、いくつかの知見が得られている。以上から、本研究は、ほぼ順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
Windows8タブレットPC上での打点教示システムが実用可能なレベルとなるよう、安定性と信頼性の向上を図る。Androidタブレットの音声認識結果から点字表記文字列に変換するプログラム開発を進める。感情表現を誘起する教示インタフェースの背景色や打点パターンの組み合わせを検討する。
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