研究課題/領域番号 |
25350688
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
二宮 早苗 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (70582146)
|
研究分担者 |
岡山 久代 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90335050)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
遠藤 善裕 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40263040)
正木 紀代子 びわこ学院大学, 教育福祉学部, 講師 (30433238)
中西 京子 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (60638435)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 骨盤底弛緩 / 腹圧性尿失禁 / 核磁気共鳴画像 |
研究概要 |
本研究は、女性の骨盤内臓器の位置と骨盤底筋力の関連性を明らかにすることを目的としている。平成25年度における具体的な課題は、①妊娠・分娩、加齢、肥満などのリスク要因と骨盤内臓器の位置との関連性(座位における骨盤内臓器の本来の位置、リスク要因により骨盤内臓器は下垂するか)、②骨盤内臓器の位置と骨盤底筋力の強度との関連性(骨盤内臓器の位置が低いと骨盤底筋力も弱いのか)の検証であった。 20~70歳代の一般女性160名を対象に、オープン核磁気共鳴画像装置(GEヘルスケア社製0.5テスラSIGNA SP/2,以下オープンMRとする)を用いた座位における骨盤内臓器の位置評価、経皮的骨盤底筋収縮確認装置(Furun Medical社製PFMトレーナー)を用いた骨盤底筋の収縮力測定、体組成測定、質問紙調査を実施した。 結果は現在分析中であるが、その一部として30歳代、BMI25 kg/m2未満の未産婦16名(尿失禁無16名)と経産婦50名(尿失禁無24名,有26名)の膀胱頸部の位置を比較した結果について報告する予定である(第27回老年泌尿器科学会)。現時点においては、膀胱頸部の位置は未産婦よりも経産婦の方が低く、経産婦のうち尿失禁を有する者は尿失禁のない者よりも低い傾向を認めており、今後さらに詳細に分析し、他のリスク要因との関連性および骨盤底筋力との関連性についても検討を重ねる。これらの結果は、骨盤内臓器下垂を原因とする腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱等の疾患に対する予防や改善のためのケアの提言につながると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に予定していた計画をおおむね実施することができた。妊娠・分娩、加齢、肥満などのリスク要因と骨盤内臓器の位置との関連性については、予定していた対象者数(200名)を上回るデータ収集ができたが、骨盤内臓器の位置と骨盤底筋力の強度との関連性については、対象者数が160名となり、平成26年度もデータ収集を引き続き行う予定である。体組成測定については、当初予定していた体組成測定装置(オーワメディカル社製生体成分分析装置)の設置場所変更により使用困難となったため、簡易式体組成計(タニタ社製体組成計)に変更し、計測を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
妊娠・分娩、加齢、肥満などのリスク要因と骨盤内臓器の位置との関連性および骨盤内臓器の位置と骨盤底筋力の強度との関連性を検証するために、データ収集を継続して実施する。さらに、腹圧性尿失禁を有する女性を、骨盤底筋体操群20名、補正下着着用群20名、対照群20名に分け、3か月間の実施前後の骨盤内臓器の位置、骨盤底筋収縮力、尿失禁症状を比較することにより、骨盤底筋群の強化と骨盤内臓器の位置の関連性について検証を進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
妊娠・分娩、加齢、肥満などのリスク要因と骨盤内臓器の位置との関連性については、予定していた対象者数(200名)を上回るデータ収集ができたが、骨盤内臓器の位置と骨盤底筋力の強度との関連性については、対象者数が160名であり、平成26年度もデータ収集を引き続き行う予定である。 現在、妊娠・分娩、加齢、肥満などのリスク要因と骨盤内臓器の位置との関連性について、データ収集の継続に加えて、データ分析を進める。そのためのデータ解析ソフトが必要である。また、骨盤底筋群の強化と骨盤内臓器の位置の関連性を検証するため、対象者のリクルートおよび介入の実施を行う。腹圧性尿失禁を有する女性のリクルートおよび実験期間中の対象者管理については外部委託も考慮する。その他、PFMトレーナーの追加、成果発表のために研究費を使用する予定である。
|