研究課題
本研究は、女性の骨盤内臓器の位置と骨盤底筋力の関連性を明らかにすることを目的とした。具体的な課題①~③についてそれぞれ検討を行った。①妊娠・分娩、加齢、肥満などのリスク要因と骨盤内臓器の位置との関連性(座位における骨盤内臓器の本来の位置、リスク要因により骨盤内臓器は下垂するか)、②骨盤内臓器の位置と骨盤底筋力の強度との関連性(骨盤内臓器の位置が低いと骨盤底筋力も弱いのか)に関して、平成25-26年度に、20~70歳代の一般女性を対象に、オープン核磁気共鳴画像装置(GEヘルスケア社製0.5テスラSIGNA SP/2,以下オープンMRとする)を用いた座位における骨盤内臓器の位置評価、経皮的骨盤底筋収縮確認装置(Furun Medical社製PFMトレーナー)を用いた骨盤底筋群の収縮力測定、質問紙調査を実施した。平成27・28年度は、データ分析を行い、骨盤内臓器下垂に影響するリスク因子として加齢、分娩、尿失禁症状が抽出されたこと、腹圧性尿失禁は骨盤底筋群の収縮持続時間の短縮と関連することを報告した。③骨盤底筋群の強化と骨盤内臓器の位置の関連性(骨盤底筋群を強化すれば骨盤内臓器の位置は挙がるか)に関して、平成27年度に腹圧性尿失禁を有する30-50歳代の女性を対象に骨盤底筋体操と骨盤内臓器挙上作用のある補整下着着用による尿失禁症状改善効果と膀胱頸部挙上効果を検証した。結果、尿失禁症状の改善は骨盤底筋体操と補整下着着用ともに認められたが、膀胱頸部の挙上は骨盤底筋体操のみに認められた。
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看護理工学会誌
巻: 3(1) ページ: 43-49