研究課題/領域番号 |
25350697
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
宮脇 和人 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00390906)
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研究分担者 |
巖見 武裕 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10259806)
小笠原 雄二 秋田県産業技術センター, その他部局等, その他 (20390908)
島田 洋一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90162685)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 機能的電気刺激 / バイオメカニクス / 機械力学・制御 |
研究概要 |
超高齢社会を迎えるにあたり、高齢者の自立を促すための運動支援機器の要素技術の開発を行った。これまで、バランス能力向上とともに最も有効な機能を再建する筋力トレーニングを含む複合的運動を行う機器を開発していた。このような機器は高齢者の生体特性データや生体適合性評価指標等の情報不足から、経験やカンに頼った非効率的、試行錯誤的な機器開発が行われており、高齢者の身体機能に合わせた操作機構、特に、人と機器の接点となるインターフェースまでを考慮した運動支援機器が少ないのが現状である。また、高齢者の支援用機器においては、残存機能をうまく使わせ、足りない部分だけを機械が補助するパワーアシストの考え方が重要となるが、どのような補助がどのような効果を持つかという情報は知られていない。したがって、これらのことを明らかにすることにより、健常者の動作データを基本として、高齢者が不足している機能を適切にサポートする機器の開発が可能と考えられる。すなわち、パワーリハビリ関連技術の蓄積を踏まえ、新たな技術分野である生体情報計測・解析技術を活用して、高齢者、障害者の状態を姿勢・動作・生理的側面からの実験的モニタリングを技術課題と設定し、インターフェースの向上、人間感覚のメカトロニクスシステムへの取込み等を図ることにより、誰にでも簡単に利用ができるロコモティブ症候群予防システムの開発に取組む。ロコモティブ症候群とは「運動器の障害」により「要介護になる」リスクの高い状態になることである。加速度・座圧・力センサーなど各種センサーを用い高齢者や障害者の身体状況を計測し、運動の開始や終了を判断するとともに、利用者の身体状況に適合したシステムを構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者、障害者が利用しやすい機器のインターフェースとして、発電機の回生抵抗を利用した負荷装置の実験装置を試作した。また、実験装置の評価用に8台のカメラによる三次元動作解析装置を用いた運動測定を行うことで、高精度で確実な軌跡データ収集システムを新しく構築した。この測定システムは64チャンネルのアナログ信号を画像データと完全に同期して収集が可能である。そのため各関節などの人体各部の軌跡データと力情報や筋電情報などのデータ収集が可能となったので、おおむね順調に研究は進展した。
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今後の研究の推進方策 |
試作した運動支援機器の負荷装置を駆動源とした機能的電気刺激をロコモティブ症候群予防システムのインターフェースとして利用する。テーラーメードな運動が実現できる運動支援機器と機能的電気刺激のシステムを融合させて、機能的電気刺激をインターフェースとして用いる。ステップ1では、回生抵抗を負荷装置として用い、発電した電気信号を下肢の大腿部に電気刺激としてフィードバックする。ステップ2では下肢の運動に係わる座面の直動スライド部から発電される電気信号を上腕部に電気刺激としてフィードバックする。自らの運動が電気刺激となるため利用者のやる気向上が期待できる。
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次年度の研究費の使用計画 |
書籍等の物品費の値引き額が大きかったので、次年度使用額が生じた。 次年度に物品費として使用する予定です。
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