本研究は、立位時及び歩行時の足底に対する高頻度かつ持続的な電気刺激(HFES)が下肢筋群に与える効果について調べた。立位時では、足底部に対するHFESは前脛骨筋の抑制性皮膚反射効果を約30分間減弱させた。歩行時の立脚-遊脚移行期に、足底前方内側部(f-M)刺激は足関節屈筋に促通を生じさせ、遊脚-立脚移行期における踵部(HL) 刺激は抑制を引き起こした。立脚-遊脚移行期にF-M もしくはHL部に10分間HFESを与えたところ、歩行周期は約20分間延長もしくは短縮した。これらの知見は、特定の歩行周期に特定の足底部に対するHFESを与えることにより、歩行周期を可塑的に修飾できる事を示唆する。
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