児童生徒の起立性低血圧は学校現場にとって重要な課題である。本研究は立位時の抗重力筋の働きによる血圧調節機構(静的な筋ポンプ作用と筋機械受容器反射)を明らかにし、抗重力筋の働きによる血圧調節を臨床応用し、児童生徒の起立性低血圧を改善することを目的とした。その結果、①立位時の下肢の抗重力筋による筋機械受容器反射は心拍数と心臓収縮性の両方を増加させること、②下肢の抗重力筋の発達が小さい水泳競技者は筋機械受容器反射の作用が弱いこと、③下肢のレジスタンストレーニングによって起立性低血圧を改善できることが示唆された。
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