H27年度は入学後の適応についての質問紙調査(研究に参加した子どもと保護者:以下参加群)、対照群として近隣地域内の小学校に入学した児童・保護者に対する質問紙調査、および結果の参加児童・親子、保育園・幼稚園・未就学施設へのフィードバックを実施した。 参加群に対する入学後調査は2年間にわたるプレーパーク活用のプログラムに参加した65人中44人から回答を得た(回収率67.7%)。これらの子どもたちと近隣小学校へ入学したプロジェクトに参加していない対照群(n=54)を比較したところ、保護者の回答においては入学後の放課後の過ごし場所として「プレーパーク」を上げた割合が参加群は対照群より多くなった(41%と31%)。「学校の校庭での遊び」も多かった(75%と63%)が、「公園」は約30%でほぼ同じ割合で、「自分や友達の家」は対照群の方が多かった(52%と69%)。これは、学童保育で過ごす割合が参加群で高いこととも関連していると思われる。入学後の学校生活上の心配事については、ほとんどの項目で「全然心配ではない」と回答した割合が参加群の方が高く、保護者の視点から見た学校適応度が参加群で高いことが伺えた。 子ども自身の回答については、放課後の過ごし方では、プレーパークに行く割合は参加群で高く、保護者の回答と合わせてプロジェクト参加によって「居場所・遊び場所」の認識の広がりが伺えた。学校適応度は学習面は両群が同程度の回答割合だが、先生に相談できる、学校の行き帰りに疲れる、友達と楽しく過ごす、等の項目では参加群がより適応度が高い回答を示し、不定愁訴も少ない傾向が見られた。「失敗しても最後までやる」「失敗するともっと頑張る気持ちがわく」の項目で、参加群が高い自己効力感を示した。さらに詳細に分析し、幼児期の外遊び体験や居場所が地域にあるという認識が入学後の適応に与える影響について検討する必要がある。
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