研究課題/領域番号 |
25350709
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
木村 憲 東京電機大学, 工学部, 准教授 (60408648)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 身体活動 / 脳機能 / 加齢 / 健康 / 脳 |
研究実績の概要 |
本研究課題は「健常高齢者の認知機能低下予防に有効な歩行活動の介入効果の検討」である。本研究は、無作為化割付比較対照試験(Randomized Controlled Trial: RCT)を用いて、運動習慣のない健常高齢者120名を3群(低強度歩行活動群、中強度歩行活動群、統制群)に振り分ける。加速度計センサー付き体動計を用いて日常生活の中で一定量(1日30分週5日)の歩行活動を付加し、2年間の運動介入が及ぼす認知機能および脳の機能と構造への効果を検討する。 平成25年度は、実験協力者のスクリーニングを実施し健康な地域在住高齢者120名を確定した。加速度センサー付き歩数計の装着および使用方法について十分に説明し、これを期間中毎日(就寝、入浴等止むを得ない場合を除く)装着するよう協力を求めた。実験協力者120名を3群にランダムに振分け、歩行活動群には歩数計に示される目標強度・時間に基づいて歩行活動を実施するよう依頼した。同年8月までに120名全ての事前測定(認知測定およびMRI 測定)を終了し、同年9月から運動介入を開始した。 平成26年度は、運動介入1年後の平成26年9月に認知機能について中間効果測定を行った。身体活動および認知機能のデータを集約・分析し、認知機能に及ぼした1年間の介入効果について中間効果測定を行った。その結果、日常生活で中強度程度の歩行活動を付加することによる認知機能ならびに健康関連QOLへの積極的効果が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
千葉県内在住、65歳以上、健常者で運動習慣のない高齢者120名を対象者とし、日常生活の中に一定強度の歩行活動を付加する地域型運動介入をが履行された。平成26年度は1年間の運動介入が主に認知機能に及ぼす効果について検討した。対象者を「低強度歩行活動群」、「中強度歩行活動群」、「統制群」の3群にランダムに振分け、低強度歩行活動群には3METs未満の歩行活動を、中強度歩行活動群には3METs以上の歩行活動の時間延伸を目標に1年間の介入を実施した。上記の手続きに基づき運動介入はおおむね実験計画通り順調に進行している。また、日常生活で中強度程度の歩行活動を付加することによる認知機能への積極的効果が確認された。現時点の途中辞退者は8名と継続率93%を維持しており、最終効果測定に向けて十分なサンプル数を維持できるものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度(最終年度)は、運動介入2年後の認知機能および脳の機能・構造(MRI測定)について最終効果測定を実施する。運動習慣のない高齢者の日常生活のなかに2年間の習慣的歩行活動を付加することによる認知機能への効果を検討する。また、歩行強度の違いが及ぼす認知機能への効果および脳の機能・構造への効果の違いについて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
歩数計の故障が想定していた数よりも少なかったため修繕費の支出が抑えられた。
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次年度使用額の使用計画 |
歩数計の修繕費として計上する。
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