高齢期における運動習慣や歩行活動が認知機能の保持や記憶能力の低下予防に有効であることが示されている。本研究は、地域在住高齢者120名(65歳以上、平均年齢70歳)を無作為に低強度歩行活動群、中強度歩行活動群、統制群の3群に分割し、加速度センサー付体動計を用い2年間の運動介入を実施した。主に前頭葉機能(遂行機能)について運動介入の効果を検討した。遂行機能の評価にはタスクスイッチ課題を行い、fMRI装置により課題遂行中の認知神経機能について解析した。その結果、中強度の日常的身体活動を維持・向上できた群において、認知機能ならびに前頭前野の神経機能に積極的効果が認められた。
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