研究課題
本研究は、平成25年度~27年度の3年間で行われた研究である。研究の最終目的は、体育・スポーツ指導者の専門的指導力の一つである「代行分析能力」の養成方法論構築のための基礎資料を得ることにあった。最終年度である27年度については、当初の研究実施計画において大学生を被験者とした「代行分析能力」の養成実習を通じて、この能力の養成方法について検証を行う予定にしていた。しかし平成26年度の研究において、より確かな研究成果を目指して、大学生を被験者とした指導力養成実習を取り上げた事例的研究から、ベテラン指導者の指導実践を取り上げた例証分析的研究に切り替えたのであった。そしてそのことによって、「代行分析能力」がどのような指導行為であるのかということについて明るみに出すことができ、なおかつ、この能力を身につける上で指導者自身にどのような経験が必要となるのかということについても明らかにすることができた。こうしたことから、27年度も引き続き、ベテラン指導者の指導実践事例を取り上げた例証分析を行うことで、前年度に明らかにした「代行分析能力」を向上させるための諸条件について検証を行うことにした。これにより、学習者に動きの発生を促すための「代行分析能力」が、どのような構造をしており、そして、そうした能力を身につけさせる上で、指導者がどのような指導経験を積んでいく必要があるのかという点について、ある一定の知見を得ることができた。この知見は「代行分析能力」の養成方法論について検討する上で極めて重要なものと考えている。なお、研究成果の詳細については、平成27年度に公にされた拙論を参照してほしい。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Dimensionen des Bewegungslernens im Turnen, Schriften der Deutschen Vereinigung fuer Sportwissenschaft
巻: 242 ページ: 35-43
スポーツ運動学研究
巻: 28 ページ: 1-18