本研究は、2008年2月長野県のスキー場において大学のスキー授業中に発生した雪崩事故に関して、雪崩の危険のあるコースになぜ指導者のA講師が進入したのか、スキー場管理者はなぜ初級者の一行を林間コースに進入することを食い止めることができなかったのか、この点について調査と検討を行った。刑事裁判、および民事裁判においては、A教員が雪崩の危険を予見できたのに、禁止コースに進入して事故が発生したとしてA講師の責任が大きいと判断された。しかし、スキーの初級者に対する安全確保の方法は中級者・上級者とは異なるのに進入を防止するためのスキー場管理者の対応は不十分な点があり事故発生の一因になったとも考えられる。
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