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2013 年度 実施状況報告書

コミュニケーション能力育成のための体育モデル授業の構築

研究課題

研究課題/領域番号 25350728
研究種目

基盤研究(C)

研究機関宮崎大学

研究代表者

日高 正博  宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (80452853)

研究分担者 後藤 幸弘  宝塚医療大学, 保健医療学部, 教授 (00047391)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードコミュニケーション能力 / 体育授業
研究概要

本年度は,まず,体育授業におけるコミュニケーション能力育成のための基礎的知見を得るために,コミュニケーション能力が高いと評価される女子児童(H.S)と,低いと評価される女子児童(L.S)を抽出した上で,この両者の用いるコミュニケーション・チャンネルを量的及び質的に捉えるとともに,その異同を明らかにしようとした。また,体育の授業でしか現れないコミュニケーションの特徴を抽出するために,座学の授業(算数)との比較も行った。その結果,体育授業中(バスケットボール)の発言の総数は,H.Sが226回で,L.Sが105回を示し,2倍以上の差が認められた。一方,算数授業中では,H.Sは51回で,L.Sが55回を示し,両者の差はほとんど認められなかった。体育授業全体では,26項目中H.Sは22で,L.Sは20の項目で出現していた。両者ともに現れた発言の項目は,「喜び」「指示」「返事」等の18であり,両者とも「指示」や「返事」の回数が上位を占めているが,指示の内容は,H.Sがチーム全体へ向けてなされていたものが多かったのに対し,L.Sは特定の仲間へ向けての指示のみであった。一方,算数授業全体では,14項目中H.Sは12,L.Sは10の項目で出現が見られた。すなわち,体育授業の方が多様な発言を生起させることが認められた。また,体育でしか現れないものは,苦しみ,怒り,驚き等の感情を表すものが主であった。発話の際,H.Sは例示子のジェスチャーを,L.Sは適応子のジェスチャーを多く用いていた。また,非言語的コミュニケーション時において,H.Sはうなずきなどの発話調整子,L.Sは手遊び等の適応子の回数が多く認められた。これらの結果は,第39回日本教科教育学会にて発表した。
また,同一児童を対象に,個人種目であるマット運動授業時のデータもとれており,バスケット授業との比較を来年度発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

25年度より他大学へ異動したことにより,研究環境が大きく変化し,予定していたデータ収集のための実験を実施することが困難になった。そのため当初計画していた内容を前後して実施した部分はあるが,全体的に見れば概ね順調に進展していると評価された。

今後の研究の推進方策

異動により研究環境が変化したが,実験授業への新たな協力者を得るためのネットワークづくりをしていくことで研究の推進を図っていきたい。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度に異動したことで研究環境が大きく変化し,当初予定していた実験が実施できなかったことが大きな理由である。しかし,計画を前後して実施した部分もあるため必要な物品は購入した。
25年度に使用予定であったものを含め26年度に使用予定である。25年度に購入予定であった映像処理ソフトウエアは26年度には必要になるため購入する。また,実験データの入力・処理も昨年度の分も含めて必要であるため人件費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 体育授業における児童のコミュニケーション・チャンネルの実態―コミュニケーション能力の程度の際に着目して―2013

    • 著者名/発表者名
      日高正博
    • 学会等名
      第39回日本教科教育学会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      20131123-20131124

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公開日: 2015-05-28  

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