研究課題/領域番号 |
25350731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
中瀬古 哲 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (00198110)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 就学前体育 / 幼児期運動指針 / 教授―学習活動 / 基礎的な動き / 身体運動文化 / カリキュラム |
研究概要 |
保育士を対象とした意識調査(実技講座受講者:237名)の結果、「幼児期運動指針」の示す28の基礎的な動きのうち、子どもに欠けている動きとして「ぶら下がる」「よける」「這う」「こぐ」「捕る」が意識されていること、指導に困っている動きとして「よける」「登る」「こぐ」「捕る」「引く」が意識されていることが明らかとなった。 また、子どもへの聞き取り調査(5歳児:91名)の結果、経験できていない動きとして、「よける」「這う」「登る」「引く」「押す」が意識されていること、躓いている動きとして「回る」「ぶら下がる」「登る」「歩く」「こぐ」が意識されていることが明らかとなった。 以上の結果から、「こぐ」「よける」「引く」「登る」という動きの経験を内容に含みこんだ体育カリキュラムの構築並びにそのために必要となる環境整備の重要性が示唆された。また、今後は、設定保育(課業)と自由保育の関係を視野に入れ、28の基本の運動という構成要素を、就学前体育カリキュラムにどう位置づけるのかを検討することが課題であることが示唆された。 意識調査と並行して、公立保育園(IE保育園:4回,T保育園:4回,Y保育園4回)、私立保育園(N保育園:11回,KN保育園:10回)、公設民営保育所(SK保育所;11回,M保育所:11回)、設置形態の異なる保育施設7か所を対象に、55回のフィールワークを実施した。 その結果、28の基本的動きは、就学前体育においては、カリキュラムの構成要素並びに指導計画の構成要素としては、ほとんど意識されていない可能性が高いことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
意識調査と介入調査は実施できたものの、運動遊び教材と指導方法に関わる先行研究を十分吟味し整理することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
実践現場との協働研究体制を維持・推進し、実用的な知見の産出に努めたい。
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