就学前5歳児の体育課業並びに課業造りに3年間継続的に参加した(述べ7施設、87回)。その結果以下のことが示唆された。1)「幼児運動指針」28の基礎的動きは意識されていない。2)保育者は子どもの発達課題を正確に把握しているものの、それが教授―学習活動に結びついていない。3)「投動作のスキル」は、「全身のバランス能力」よりも「手先の起用さ」、「自己主張」よりも「自己抑制」との正の相関が高い。4)身体運動文化が、一旦保育園の伝統としてカリキュラムに位置づくと、子どもの主体性が後退した学習を生み出す可能性がある。それを防ぐためには、実践の自由と研究・研修時間の保障が不可避に求められる。
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