研究課題/領域番号 |
25350734
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松浪 稔 東海大学, 体育学部, 教授 (90364158)
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研究分担者 |
久保 正秋 東海大学, 体育学部, 教授 (30119672)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 身体観 / 身体性哲学 / 身体教育 / 体罰 |
研究実績の概要 |
研究課題「現代大学生の身体観の検証と身体教育へのアプローチ」を明らかにするために、平成26年度(2014年度)は、現代日本人の身体観の検証(基礎研究・文献研究)、現代大学生の身体観の検証(質問紙調査)を行う予定であった。上記の実施計画のうち、現代日本人の身体観の検証(基礎研究・文献研究)については、計画通り実施できた。 昨年度に引き続き日本における体罰に注目した研究は、その成果の一部を「体罰の起源をさぐる -日本の教育制度と体罰-」と題した論文にまとめた。これは『スポーツ学の射程(仮)』(2015年8月黎明書房より出版予定)に所収される。体罰は古来日本で行われてきたと誤解されがちであるが、明治以降、日本が近代国家を形成するうえで行われるようになったこと、その源は軍隊教育(内務教育)であり、それが学校現場に持ち込まれたこと、学校現場の体罰は、身体教育に親和する体育・スポーツ現場に定着してしまったこと、などを明らかにした。明治以降に体罰を加える身体、体罰を受ける身体が誕生したのである。そしてその身体観が現在にも受け継がれているのである。 また、昨年度発表した論文「日本における近代的身体の形成過程 -軍・教育・メディアー」のスペイン語訳を発表した(神戸市外国語大学『研究年報』52所収)。 しかし、現代大学生の身体観の検証(質問紙調査)は、計画通り実施することができず、2015年度に行う。 なお、研究を実施するために、21世紀スポーツ文化研究会第82回大阪例会(大阪学院大学)、21世紀スポーツ文化研究会第84回東京例会(青山学院大学)などの研究会、学会に参加し、研究打ち合わせや、知見についての議論などを行った。 今後も文献研究・基礎研究を継続するとととに、質問紙調査を実施し、平成27年度内に可能な限り研究成果を発表し、この研究をまとめていく計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度(2014年度)は現代日本人の身体観の検証(基礎研究・文献研究)、現代大学生の身体観の検証(質問紙調査)を行う計画であった。 現代日本人の身体観の検証については、平成25年度から順調に研究を継続しており、平成26年度の成果の一部である論文「体罰の起源をさぐる -日本の教育制度と体罰-」は、平成27年秋に出版予定の『スポーツ学の射程(仮)』(黎明書房)に掲載される。 しかし、実施予定であった現代大学生の身体観についての質問紙調査が未実施である。質問紙調査は平成27年度早々にも実施する予定であるが、計画より、「やや遅れている」と自己評価せざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画調書に記載した計画からは若干遅れてはいるが、研究は停滞していない。 今年度は、平成25年度、平成26年度に行ってきた文献研究の継続に加えて、計画通り質問紙調査を実施する。 やや研究が遅れているとはいえ、ほぼ計画通り研究を継続していくことが可能であり、計画の変更を行う予定はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度(2014年度)当初予定した金額を使用することがなかった。これは、研究の停滞を意味するものではない。研究はやや遅れているとはいえ順調に進展しているが、平成26年度については、予定していた物品の購入の必要がなくなったり、人件費を使用することなく研究が行えたからである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度(2015年度)計画において、物品費、旅費、人件費、印刷費などの使用が見込まれている。 平成27年度には、基礎研究・文献研究に加えて質問紙調査を実施する計画なので、そのためには印刷費、旅費、人件費(研究データの整理、調査結果の集計などのため)が必要となる。また、それに伴う物品費、消耗品費の購入に充てる。
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