研究課題「現代大学生の身体観の検証と身体教育へのアプローチ」を明らかにするために、平成26年度(2015年度)は、現代日本人の身体観の検証(基礎研究・文献研究)および、まとめと考察を行う予定であった。上記実施計画はおおむね順調に実施することができた。 最終年度以前に刊行された主な研究成果(論文)は「否定される身体/近代化される身体」『近代日本の身体表象』(森話社 2013)、「日本における近代的身体観の形成」『スポートロジイ』(21世紀スポーツ文化研究会 みやび出版 2013)『神戸市外国語大学 研究年報50』である。また、『神戸市外国語大学 研究年報50』に掲載された論文はスペイン語に翻訳され刊行された(『神戸市外国語大学 研究年報52』2014)。日本以外の文化圏へ向けて研究成果を発信することができた。 最終年度(2015年度)に刊行された主な研究成果(論文)は、「体罰の起源を探る」『スポーツ学の射程』(黎明書房)、「Sport for tomorrowとスポーツボランティア」『外国学研究』(神戸市外国語大学)であり、論文以外の刊行された報告は、「スポーツで文化交流を」『スポーツ国際青年』(体育・スポーツ帰国隊員の会)「ディストピアのオリンピック」『ひすぽ92』(スポーツ史学会)「オリンピック教育の授業の展開」『保健体育ジャーナル107』(学研)などがある。 最終年度までに実施してきた基礎研究を踏まえ、現代大学生の身体観に関する視野は、より国際的になるべきだという視点で、スポーツボランティアや、オリンピック教育などの領域にまで広がっていった。これらの研究をとおして、過去、どのように身体観が掲載されてきたのか、そして現在どのような身体観が求められているかについての思考を深めることができた。これは、21世紀に生きる我々にとって大変重要な視点であり、成果である。
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