研究課題/領域番号 |
25350736
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
近藤 智靖 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (50438735)
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研究分担者 |
田附 俊一 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30197389)
岡出 美則 筑波大学, 体育系, 教授 (60169125)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 動きのある学校 / 運動休憩 / 動的授業 / 動きのある幼稚園 |
研究実績の概要 |
本研究の最終年度にあたる平成27年度では、二人のドイツ人研究者を我が国に招聘し、彼らとの情報交流を通じて、本研究の主題に迫っていった。一人は、ヴッパータル大学のエッカート・バルツ氏(Eckart Balz)であり、もう一人は、オスナブリュック大学のレナーテ・ツィマー氏(Renate Zimmer)である。 バルツ氏は、9月に開催された日本スポーツ教育学会第35回記念国際大会のキーノートスピーカーとしても登壇してもらい、ドイツの「動きのある学校」についての概要紹介と、その成果について講演をしてもらった。「動きのある学校」についてはドイツ国内で大きく拡がりつつも、その成果を実証的に検証している研究論文が少ない点や、「動きのある学校」それ自体が、ドイツの終日制学校や学力テストの問題などをはじめとした教育界における大きな潮流の中で翻弄されている様子が報告された。 一方、ツィマー氏は、2月に開催された日本体育大学における公開セミナーにおいて、「動きのある幼稚園」と題して、幼児期から小学校期までに園や学校において運動を取り入れていくことの大切さについて講演をしてもらった。子ども達にとって、身体は世界を獲得していくための手段であり、運動をしていくことで言語や認識能力等が活性化していくと報告された。加えて、運動を大きな教育の柱に据えている幼稚園の活動を紹介してもらった。 本研究の最終年にあたり、「動きのある学校」が、小学校から高等学校に留まらず、幼稚園といった幼児期にまで拡がりを見せており、園や学校において様々な試みがなされて下り、それを支える組織も多様化している点が確認できた。また、ドイツの教育界の大きな変革の中で、「動きのある学校」の意味づけも少しずつ変化している様子が確認できた。課題としては、実証的研究の不足と教員研修システムの構築などがあげられた。
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