研究実績の概要 |
健康な若年成人女性19名に対して23週間に渡り1日30分、週2回のNWを課した。NWトレーニング期間終了時に、橈骨遠位端部1/10の部位にてDXA装置により測定した骨塩量、骨密度共に、コントロール群(18名)と比べ有意な上昇が認められた。しかしながら他の部位、並びに上腕中位部と大腿中位部筋横断面積には有意な増加は見られなかった。NWが骨折頻発個所である橈骨のトレーニングとして有効であると言えよう。NWのポールを押し出す動作が局所的に橈骨遠位端部への有効なストレスになっていたのではないかと考えられる。 次に、中高年に対するトレーニングスタディであるが、「広報すずか」にて参加募集をし、我々が主催したNW教室に参加した男女40名(女性31名、男性9名)を対象とした。NW有資格者講師による指導のもと、1回1時間、週2回(火・木曜日)のNW初心者を対象とした教室を6月から9月終わりまでの4ヶ月間行った。1)身体組成(Inbody430)、2)体力測定〔握力 GRIP-D)、全身反応時間(REACTION)、開眼片足立(CGTバランスパッド)、長座体前屈(デジタル長座体前屈計)〕、3)DXA法による骨塩量、骨密度測定(ALOKA、DCS-600EX、橈骨遠位端1/3,1/6,1/10)、4)血流依存性血管拡張反応(FMD)測定(UNEXEF38G)を6月と9月終わりに行った。その結果、体脂肪率の有意な低下、骨格筋量の有意な増加がみられた。FMD値や骨塩量、骨密度も増加傾向にあったが統計学的には有意な上昇とは言えなかった。体力測定値も同様であった。中高年について一定の効果は得られたと考えているが、昨年度は雨が非常に多く、教室の実施率が低かったことは統計的な有意差が得られなかった原因の一つであろう。
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