研究課題/領域番号 |
25350742
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
阪田 真己子 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (10352551)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 伝統芸能 / 間 / モーションキャプチャ |
研究概要 |
本研究では,日本の伝統芸能における「間」がどのように生成され,それが文脈や状況に応じてどのように変化するかを,理論的,科学的,総合的に解明し,最終的に「伝統芸能における間とはどのようなものか」を体系化することを目的とする.具体的には,日本舞踊家の身体技法をデジタル技術により計測し,動作分析,視線分析,映像分析の手法を用いて,伝統芸能における「間」の生成メカニズムを総合的に考察することを目指す.本研究の長期的目標は,伝統芸能における「間」がどのように生成され,それが文脈や状況に応じてどのように変化するかを,身体動作や視線など客観的に測定可能な物理的特徴量と,舞踊家自身が主観的に感じる時間感覚との関係性の上で明らかにし,最終的に「伝統芸能における間とはどのようなものか」を解明することである. 平成25年度は,当初の予定では,日本舞踊家花柳寿魁氏,花柳乃三氏の舞踊計測を行う予定であったが,25年5月,寿魁氏の病死により,研究計画変更を余儀なくされた.本研究の全体目標は「伝統芸能における“間”概念の体系化」であるが,その前提として,そもそも個人内に内在する“間”そのものの定量化を試み,それらを基礎データとして伝統芸能特有の“間”と対比させることとした. そこで,25年度は,主に「打叩テンポ」および「歩行動作」を対象とした実験を行い,それらの恒常的特性および個人特性について検討を始めた.実験では,①PCを用いた打叩テンポの継続測定②一人歩行,二人歩行におけるタイミング制御についてデータ計測を行った.両者とも先行研究が蓄積されている動作ではあるが,両者の関連について言及したものはあまりないため,個人の「間」生成の構造解明のための基礎研究として検討を行うこととした.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究協力者である日本舞踊家花柳寿魁氏の死亡により研究計画の軌道修正を行ったため.
|
今後の研究の推進方策 |
当初予定では花柳寿魁氏を中心に舞踊家の人選,動作の選定を行う予定であったが,今後は,御息女の花柳乃三氏を中心協力者とし,実験を進める予定である.
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究協力者死亡により25年度は当該計画が予定通り進まず,データの収録や編集にかかる謝礼の支出が生じなかったため,26年度は実験を後ろだおしにして実施する予定. 25年度実施予定であった舞踊家の動作計測を行う.
|