研究課題/領域番号 |
25350744
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
中島 憲子 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00301721)
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研究分担者 |
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
續木 智彦 西南学院大学, 人間科学部, 講師 (60468791)
鐘ケ江 淳一 近畿大学九州短期大学, 保育科, 教授 (90185918)
黒川 哲也 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50390258)
口野 隆史 京都橘大学, 人間発達学部, 教授 (60192027)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スポーツ観 / スポーツ像 / スポーツ価値意識 / 学びの履歴 / 体育授業 / 運動部活動 / 東アジア / 訓育的機能 |
研究実績の概要 |
平成27年度は当初の目的であった「スポーツ観調査」と「体育授業における学びの履歴調査」を実施し、得られた結果を比較分析することによって、正課体育授業におけるスポーツ・リテラシー教育の価値性・有用性についての示唆を得ることであった。調査実施においては、6府県の中学2・3年生1378名と中学校の体育教師16名を対象に両調査を実施し分析を行った。それらの結果、中学生においては、スポーツ価値意識で、男女間に有意差は認められなかった。スポーツ像では、「フェアプレイ」において男子に比べ女子が有意に高かった。「自己志向」「精神・鍛錬」において女子より男子が有意に高い結果であった、など、中島ら(2009)の先行研究と類似した結果が認められた。また体育教師のスポーツ価値意識は中学生よりも有用性において高く、逆に陶冶性においては低い結果であった。スポーツ像ではフェアプレイが中学生よりも高く、規範意識や伝統については中学生よりも低かった、など、中学女子の傾向と類似していた。次に両調査との関連において分析を行った。その際、教師が行う体育授業には教師のスポーツ観が反映し、授業を受ける生徒はその教授を足掛かりとしてスポーツ観を形成するであろうという仮説を立て分析したところ、どの教師のスポーツ観タイプにも、それぞれの指導性タイプがある一定の割合で存在し、その割合にほとんど差がなかった。つまり教師のスポーツ観がどうであれ、教師の指導性には影響しないということが示唆された。これらのことから、子どもたちのスポーツに対する価値意識やスポーツ像は、体育授業に限らず、個人的なスポーツ経験というものが子どもたちのスポーツ観を形成していることが明確となった。 また、日本と韓国の大学生に行ったスポーツ観調査(1649名)においては、スポーツの陶冶性と体育授業の好嫌や有用性には関連性が高いことが示唆された。
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