成人聴覚障害者は成人健常者と比べて、片脚立ちテスト、重心動揺検査において、平衡機能が劣っている。近年、高齢者が直立姿勢保持中に静止面へ指先で軽く触れることによって、姿勢動揺が減少することがわかっている(体性感覚入力)。そこで、この手法を用いて聴覚障害者もバランス機能を改善することができるのかを検討した。その結果、聴覚障害者は視覚を遮断された状態だと、健常者よりも体性感覚入力の依存度が高いことがわかった。また、聴覚障害者にこの手法を用いて2か月間の片脚立ちトレーニングを行ったところ、閉眼片脚立ち時間が延長した。聴覚障害者の平衡機能低下はトレーニングで改善できることが示唆された。
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