研究課題/領域番号 |
25350754
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
中村 祐司 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (50237442)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | スポーツ震災復興 / 東日本大震災 / 地域スポーツガバナンス / 地域社会 / 復旧復興 / 復興五輪 |
研究実績の概要 |
復興五輪の視点にもとづき、「2020年東京五輪とアジアスポーツガバナンスの新展開」と題して、アジアスポーツ法学会(2015年9月18日。於)筑波大学東京キャンパス文京校舎)において報告した。スポーツの力を通じて復興した国の姿を世界中の人々に知らしめたいという招致メッセージは、開催の一つの決め手となった。しかし、何をもって「復興」とするのか明確な指標が存在するわけではない。 東京が人材を吸い寄せ、被災現地では復興事業が思うように進まなくなるという指摘もある。被災地域における公共スポーツ施設が住民の地域スポーツ活動の拠点として機能するようになった時、初めて復興五輪を堂々とアピールできるのではないだろうか。 単著『スポーツと震災復興』(成文堂、2016年1月)を刊行した。スポーツ活動やスポーツ事業による震災復旧・復興の実践例は枚挙にいとまがない。それらの多くは、世代を問わず当該地域の人々、あるいは当該地域に入った人々による地味な実践活動である。本書では被災地の現場への訪問や新聞報道から得た情報をもとに、それら無数のスポーツ復旧・復興活動の一部を整理紹介しつつカテゴリー化することで、後世へ資料的価値と分析枠組みを残そうと試みた。 第1章「東日本大震災とスポーツ施設」、第2章「地域スポーツガバナンスの枠組み」、第3章「スポーツの復興と公共圏の萌芽」、第4章「スポーツ事業の貢献と地域社会」、第5章「地域スポーツによる震災復興」、第6章「復興スポーツ事業の現場」、第7章「震災復興と復興五輪」を通じて、震災復興に貢献するスポーツの事例を把握し、展開のあり方を追求した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
復興五輪の今後など残された課題はあるものの、単著を刊行したことで、当初の計画以上に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
複数回の現地調査や新聞報道等の収集・把握を通じて、被災自治体における地域社会がスポーツ事業によってどのように構築されつつあるのかを今後とも追求していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
書籍(とくに英文書籍)の購入申請や現地補足調査の実施が当初計画よりも遅れ、また、書籍において申請と納品時期の相違があり、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
助成金確定後、早めの予算執行を行い、とくに書籍については購入対象書籍の蓄積後に申請するのではなく、節目節目での購入申請を行う。また、現地調査においても、年度内ではなく年内実施を行うようにする。
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