研究概要 |
日本国内での運動会は減少傾向にあったが、コミュニケーション不足、組織活力の低下から、昔から行われてきた「運動会」の見直しが進められている。本研究では、地域と企業の運動会の実態と成果を明らかにする。2013.11.15~16の2日間、「地域運動会参加者」206名、「企業運動会参加者」206名の合計412名を対象にインターネットリサーチを行った。内容は、基本的属性、意識〔参加形態、意味、種目、楽しさ(不満の理由)など〕、成果(目標、発見、主体性、役割と責任、安全、役員への尊敬、年代間の協力、団結感など)である。 調査の結果、運動会の参加者は「自発的な参加(40%)」と「参加要請・仕方なく参加(40%)」とほぼ二分化され、「人間関係の獲得(地域:22.3%,企業:25.5%)」や「目標に向かっての団結(企業;97名,24.7%)」、「生活のアクセント(地域;76名,19.2%)」と意味づけている。好きな種目と実施種目はほぼ一致しており、評価は参加者の約8割以上が楽しいとしている。しかし、約1割5分は「楽しくない」とし、理由を「参加者の意欲(3割弱)」、「全体のまとまり(約2割)」「当日のスケジュール(約2割弱)」としている。 運動会の成果として有意差が認められた(回答を数値化し平均値の差を検定)のは、「安全なプログラム進行(企業3.12,地域3.02,F=9.518)」,「主体的な取り組み(地域2.92,企業2.90,F=7.110)」「前回以上の団結感(企業3.08,地域3.02 ,F=5.252)」であった。 以上のことから、両運動会は、「人間関係の獲得」を目指して、役割分担をしながら(企業ではプログラム参加と実施・運営委員がそれぞれ約40%)、80%以上の参加者が「楽しい」と評価している実態が明らかとなった。尚、「役員分担の強制」は強い不満理由となることが確認された。
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