研究課題/領域番号 |
25350757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
奥村 基生 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90400663)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 熟練 / 剣道 / 注意 / 知覚 / 反応選択 |
研究概要 |
本研究の目的は,スポーツの失敗原因の一つである動作停滞を回避するための動作切替の特性を解明することである.動作停滞とは,動作開始の遅延,動作自体の遅滞の2つの意味を持つ.動作切替とは,打動作のように始終が1秒以下の動作の開始後に,他の動作へとダイナミック・瞬時に修正することと定義する.実験では,剣道の攻撃―防御動作の切替を要求する課題を設定して,課題①では動作切替の精度・タイミング・速度などについて,課題②では動作切替に対する干渉(相手の動作の外乱)への耐性について特性や熟練過程を検討する.そして,動作停滞の現実的な回避法や,動作切替の訓練可能性を探る. 本年度は課題①②を設定するために,実験協力者が呈示する刺激の種類,呈示のタイミングなどを決定する予備実験をした.手順として実験協力者Aは,各試行前に予め設定した刺激呈示法と,ランダムな呈示タイミングを実験者協力者Bの合図で確認した.その後,実験協力者Aが構え,続いて参加者が対峙して構えて試行を開始した.実験者協力者Bは試行開始と同時に電光掲示タイマーをスタートし,実験協力者Aはタイマーにタイミングを合わせて刺激を呈示した.このように実戦と類似した形式で実験を行った.また,この手順により実験協力者も参加者も刺激や試行の確認や開始を適切に実施できた. 次に,課題①の動作切替を要求する実験協力者の刺激の種類とタイミングは,攻撃から防御の呈示,防御から攻撃の呈示を小さくかつ静止しない連続動作で呈示すると安定し正確な刺激が呈示できた.課題②の動作切替に干渉を起こす実験協力者の刺激の種類とタイミングは,参加者の動作開始タイミングに合わせて実験協力者が攻撃や防御の小さな刺激を呈示するだけで,参加者の動作に干渉を起こすことが可能であった.これらの予備実験の結果に基づき次年度からの実験を実施する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書の計画のとおり初年度で実験の手順や刺激の呈示法などがおおむね確立できた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度から勤務校が変わったが研究や実験のための環境は改善した.したがって,今年度以降も順調に研究及び実験を進行できると考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
機器の購入を控えたことや,分析アルバイトの雇用を少なくしたことにより,次年度使用額が生じた. 今年度からの本実験のための機器の購入,分析のための経費として利用する.
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