研究課題/領域番号 |
25350765
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山内 正毅 長崎大学, 教育学部, 教授 (00128232)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リーチング / 反応時間 / 正確性 / 刺激-反応の対応生 |
研究実績の概要 |
本研究は、2013、2014と実施してきた左右手一側または両側手を同時に用いた目標到達運動における刺激と反応(時間と正確性要素)の対応性の成果を踏まえ、課題提示条件を変えて追加実験を実施し、腕目標運動の左右差が生じる心理的メカニズムを検討しようとしたものである。 昨年度までに、左/右視野に1標的ずつ提示して左/右どちらか一側手反応と両側手同時反応の検討をした。その結果、一側手反応と両側手同時反応の結果が異なり、一側手反応では刺激-反応の対応性をほぼ支持したが両側同時反応では時間要因における刺激-反応の対応性を支持しなかった。 これまでに、左/右それぞれに1標的ずつ提示して左/右どちらか一側手反応と標的を同時提示して両側手同時反応の検討をしたが、一側手反応と両側手同時反応の結果が異なった。また、標的の大きさを微妙に変化させた一側手反応実験の結果では動作前時間について直径9mmの標的において刺激―反応の対応性が得られたが、不十分な結果であった。そこで、本研究ではさらに標的の大きさを微妙に変化させた追実験を実施したが、標的の微妙な大きさの違いによる影響は得られず、動作時間や反応時間については大きさにかかわらず刺激-反応の対応性が得られた。正確性については、反応手や標的の大きさにかかわらずX軸誤差が左提示視野において小さくなる結果であった。従って、これまでの結果をまとめると、刺激と反応の対応性は、動作時間と反応時間については提示標的の大きさにかかわらずみられるが、動作前時間にはみられなかった。正確性についても、提示標的の大きさの違いによる影響はみられなかった。画像の動作分析が遅れているが、現在までの結果は、反応手の動作空間での動きが標的提示空間(左/右)によって異なる可能性がある。今後の追加実験やデータの分析結果に期待したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度は、予定していた実験2を実施することができたが、平成27年度は実験条件に使用する提示標的の大きさや標的を移動させるためのプログラムの変更に手間取ったり、実験2の追加実験などを行ったために27年度予定の実験が少し遅れている。現在、変更したプログラムを用いた実験3がほぼ終わったところである。最終年度に遅れているデータの分析や必要があれば追加実験を実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、平成27年度予定のほぼ実験3を終了した。今後、実験データの分析を5月中に実施し、その結果によっては6月から7月にかけて追加実験の実施やデータ数の増加を行い、9月に開催される学会で発表予定である。また、8月から9月にかけて追加実験を実施し、並行してこれまでに得たデータの分析を進め、全体の研究成果をまとめる予定である。
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