研究課題/領域番号 |
25350766
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
赤嶺 卓哉 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (70175785)
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研究分担者 |
高田 大 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 助教 (40404545)
田口 信教 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (10171597)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ロコモティブシンドローム / 運動器症候群 / 腰痛疾患 / 変形性関節症 / 骨粗鬆症 / 水中運動処方 / 運動療法 / 骨密度 |
研究実績の概要 |
【意義と重要性】近年、ロコモティブシンドローム(Locomotive Syndrome:運動器症候群;運動器不安定症を含む)という概念が定着し、腰痛疾患、変形性関節症症例などが該当し、急増している。我々はこれらの人々に対し、基礎的水中運動を重視した運動処方を温水プールにおいて実施し、水中運動の効果について検討した。多くの中高齢者に対する水中運動処方法の確立をめざし、明るい社会づくりに貢献することは重要と考えられる。【内容と成果】腰痛症例18名、関節症例18名(一部に重複例を含む)を対象として、平成26年5月~11月にかけて、週約2回、1~2時間ずつの腰痛・関節症水中運動教室を実施した。内容は医師によるロコモティブシンドロームに関する基礎教育と日常生活指導、スポーツ医・水泳指導者による水中運動処方である。前後に数回、身体・体力測定、体組成測定、全身バランス能力評価、X線骨密度計測などを施行し、水中運動の運動器症候群に与える効果について検討した。成果として、水中運動後では運動前に比し、肥満の軽減(体重など)、体幹・上下肢の筋力・柔軟性の向上(背筋力など)、体組成の改善(下肢筋肉量の増加など)、全身バランス能力の向上(ファンクショナルリーチ試験)、骨密度の増強(第2~4腰椎対同性同年齢平均値比など)がそれぞれ統計学的に有意に認められた。なお、下肢筋肉量の増加が得られたことは、新知見である。以上の事から、水中運動処方の運動器症候群に対する有効性が、強く示唆された。【研究の展開】次年度も、ロコモティブシンドローム症例を主対象とした水中運動教室を実施し、改善を重ねた水中運動の及ぼす運動器不安定症者の身体への影響などについて攻究したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
運動器症候群(ロコモ)症例延べ36名に対し、1ヵ年度にわたり、実際にプール内水中運動を指導した。その結果として、肥満の軽減、呼吸循環機能の改善、体幹・上下肢の筋力・柔軟性の向上、下肢筋肉量の増加、全身バランス能力の向上、腰椎骨密度の増強などの成果を収め、論文作成、学会発表なども行い得たため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も、ロコモティブシンドローム症例を主対象とした、温水プール内水中運動教室を実施する。改善を重ねた水中運動の及ぼす、運動器症候群(運動器不安定症を含む)症例の身体への影響について、引き続き各種の身体・体力測定、体組成計測、全身バランス能力評価、骨密度測定などを併用して攻究する。
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