本研究の目的は、異なる条件の低酸素トレーニングに対する循環・代謝諸指標の経時的変化とその効果の持続性について明らかにすることであった。その結果、低酸素環境下での運動は、短期間のうちに血圧、動脈スティフネスの低下といった心血管応答の改善、ならびに耐糖能の改善を誘発し、その効果は脱トレーニング8週後にも維持されることが明らかとなった。また、運動強度は50%VO2maxで十分効果があること、海抜2000mよりも2500m相当の環境の方がより短期間のトレーニングで効果が得られ、さらに2週間の脱トレーニングを挟んで反復しても、その効果は維持、あるいはさらに増大されることが明らかとなった。
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