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2013 年度 実施状況報告書

追従式3次元形状解析法による肩甲上腕リズムから投球疲労度を推定できるか?

研究課題

研究課題/領域番号 25350775
研究種目

基盤研究(C)

研究機関埼玉医科大学

研究代表者

乙戸 崇寛  埼玉医科大学, 保健医療学部, 講師 (00562943)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード肩甲骨位置 / 測定信頼性 / 3D Microscribe
研究概要

平成25年度は、まず研究テーマである「追従式3次元形状解析法による肩甲上腕リズムから投球疲労度を推定できるか?」の大学保健医療学部倫理委員会の承認を得た。(承認番号101)
また、肩甲骨位置の3次元位置解析装置3D Microscribe G2Xの測定信頼性について検討した。全身骨模型の頭部をベルトでフレームに固定して動かないようにした後、肩甲骨位置の骨指標を1.肩峰の前外側端,2.肩甲棘内側端,3.下角,の3点とし,身体内矢状面の骨指標を4.第1胸椎棘突起,5.第3胸椎棘突起,6.胸骨柄の頚切痕,の3点とした計6点の3次元座標を測定した.身体内矢状面に対する肩甲骨の前傾-後傾角度,上方回旋-下方回旋角度,内旋-外旋角度について、座標解析ソフトRhinoceros 5を用いて検者内(16名)及び検者間(16名)の測定信頼性を検証した。その結果、前傾-後傾角度のICC(1.2)は0.83,95%CIは0.94~0.53,SEMは0.26 °であり,ICC(2.1)は0.83,95%CIは0.94~0.51,SEMは0.29 °であった.上方回旋-下方回旋角度のICC (1.2)は0.71,95%CIは0.90~0.59,SEMは0.47 °であり,ICC (2.1)は0.74,95%CIは0.91~0.56,SEMは0.44 °であった.内旋-外旋角度のICC(1.2)は0.89,95%CIは0.96 ~0.70,SEMは0.13 °であり,ICC(2.1)は0.89,95%CIは0.96~0.68,SEMは0.19 °という結果を得た.以上より、肩甲骨の3次元位置を0.5°未満の誤差内で再現できることが示されたが、線と線の解析である肩甲骨の上方回旋-下方回旋角度のICCがやや低い結果となり、この点については精度を高めるための超音波画像による指標規定が重要であると考えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3D Microscribe G2Xを用いた測定は、医学分野ではこれまで解剖学分野でのみ使用されており、生体の肩甲骨を測定対象とした理学療法分野での先行研究はない。従って、生体内矢状面を基準として1.肩峰の前外側端,2.肩甲棘内側端,3.下角,の3点から肩甲骨の位置が正確に再現できるかについて検証する必要があり、これを実施できた。
さらに、本研究テーマを遂行するにあたって身体を固定するために必要なフレームの選定、肩甲上腕リズム時の肩甲上腕関節角度を測定するための水平計の選定、測定用紙の作成、研究倫理審査委員会の承認手続きなど、測定開始に必要な準備がすべて整えられたため、おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、超音波画像を用いた肩甲骨および生体内矢状面の規定を行う。その後、実際に投球課題前後の肩甲骨位置の測定を実施していく。
得られた結果より、投球課題後の回復に伴う肩甲上腕リズムの変化を経時的に追跡し、回復指標の因子分析を行う。10名程度測定できた時点で学会発表を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度に使用予定であった物品費が、平成24年度の見積価格より上昇していた。そのため、当初購入を予定していた附属品の項目を減らすなど様々な検討をしていたため、測定を開始するまでの時間を多く要した。従って、平成25年度は測定準備に必要な書類や予備実験を先に実施して、今後の研究デザインを再検討した。旅費や人件費は使用しなかったため、次年度使用額が生じた。
次年度は、測定と解析、さらに学会参加と論文投稿を考えており、次年度使用額は利用できると考える。

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公開日: 2015-05-28  

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