研究課題/領域番号 |
25350781
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研究機関 | 高千穂大学 |
研究代表者 |
新井 健之 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (20397095)
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研究分担者 |
鈴木 啓央 高千穂大学, 人間科学部, 助教 (00734758)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 知覚トレーニング / 注意配分 / 打撃パフォーマンス / 見越距離短縮錯覚 / 運動予測 / 予測エラー / 錯覚 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,対象物への注意配分により大幅に変化する運動認知・予測特性を考慮した視覚トレーニングの開発である.それにより,視覚トレーニング効果の飛躍的な向上を目指している.報告者は,今まで,眼前の視野角上下左右40度程度と,狭い視野内で実験を行ってきた.しかし,その視野範囲はスポーツで必要な視野の一部分に過ぎず,視覚トレーニングの効果を期待するには不十分である.本研究期間内で,有効視野内・現実環境・有効視野外・自己運動の4点の運動認知・予測特性の検討を行う計画を立てている.そして,視覚トレーニングの開発につなげる計画である. 平成26年度は,有効視野内における物体の運動予測特性として,物体の注意配分と移動時間予測と関係の検討を行った.今までの実験条件下では,物体の移動時間予測及び移動速度認知はほぼ正確で有り,移動距離予測のみ大幅に錯覚をしていた.しかし,平成25年度の論文で,物体への注意配分と情報処理時間の配分が比例関係にあるとの仮説を立てたことから,物体への注意配分を今までの実験条件よりもさらに減らす実験を行った.結果,物体への注意配分を減らすことにより予測した移動時間が約2倍になり,仮説を支持する結果となった. また,ゴルフ学会,関東大学テニス研究会,大学スキー研究会などの参加し,他の研究者とのディスカッションや予備実験などにより,現実環境および有効視野外の実験においてゴルフのパッティングを用いた実験の有効性が考えられ,具体的な実験計画中である.そして,自己運動の実験では全日本スキー連盟指導者講習会においてジュニアの被験者2名の予備実験の結果,自己の移動時間の予測において錯覚が起きている可能性が確認された.今後はさらなる検討を進めたい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
狭い仮想空間内での運動認知・予測特性に関する研究は,おおむね順調に進んでいるが,知覚トレーニングの開発のための,有効視野内・現実環境・有効視野外・自己運動の4点の運動認知・予測特性の検討が遅れてる.その理由としては,有効な実験方法を構築することの難易度が,実験計画時の予想を上回っているためである.特に実験統制の精度を上げることが困難で有り,さらなる予備実験が必要である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,他の研究者や現場の指導者との議論を重ねることに加え,検討が遅れてる有効視野内・現実環境・有効視野外・自己運動の4点の運動認知・予測特性の予備実験を重ね,具体的な実験を行うことに重点を置く.
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