研究課題/領域番号 |
25350785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
田中 暢子 桐蔭横浜大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90620162)
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研究分担者 |
菊 幸一 筑波大学, 体育系, 教授 (50195195)
奥田 睦子 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (90320895)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 精神障害者スポーツ / 国際比較研究 / スポーツ政策 / 精神保健政策 / 健康政策 / サッカー / ヘルスプロモーション / スポーツ推進システム |
研究概要 |
2013年度は、調査対象国としている、イタリア、デンマーク、ドイツ、英国(イングランド)の関係者と直接会い、話し、アンケート調査を実施し、国際比較研究の基盤となる情報を得たことは大きい。 4月から6月は、資料収集、ドイツ関係者の特定を行った。7月、英国(イングランド)、デンマーク、ドイツの関係者を訪問し、インタビュー調査を実施、また関係資料を入手した。10月、世界で初めての第1回精神障害者スポーツ国際シンポジウム/国際会議を日本で開催した。この国際イベントの事務局長を、研究代表者自らが務めた。調査対象国である4カ国以外に、韓国、アルゼンチン、ペルーの関係者も招聘した。日本を含む、全8カ国に8月下旬に精神障害者スポーツの推進状況に関するアンケート調査票を送り、記入をお願いした。また国際ンポジウムの発表原稿も研究代表者が翻訳を行い、情報を得ることに努めた。アンケート調査結果をまとめた「精神障害者スポーツ推進システムに関する国際比較研究 1年次研究成果報告書」を国際シンポジウム参加関係者およそ260名に配布した。12月、研究代表者、分担者、協力者が集い、2013年の研究成果の確認と、2014年度に向けた方向性について話し合いを行った。尚、会議以外ではメール等にて議論を重ねてきた。3月、ドイツの障害者スポーツに詳しい分担者がドイツ障害者スポーツ協会を訪問し、障害者スポーツ養成制度についての情報を得てきた。 2013年の最大の成果は、精神障害者スポーツの推進システムを探るうえで、調査対象国にアンケートを実施できたことである。加えて、研究目的にある、精神障害者スポーツ推進施策の発展に貢献するという点においては、単に調査を行っただけでなく、日本の関係者にオンタイムに近い状況で報告を行えたことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2013年10月に、第1回精神障害者スポーツ国際シンポジウム/会議を開催したことにより、調査対象国としていたイタリア、デンマーク、英国(イングランド)、ドイツの主要な担当者だけでなく、韓国、アルゼンチン、ペルーとも各国の主要な担当者からも情報を得ることができた。 日本を含む、この国際シンポジウム/会議に参加した全8カ国にアンケート調査を依頼することができ、おおよその情報を得ることができた。さらにその調査結果をまとめた「精神障害者スポーツ推進システムに関する国際比較研究1年次研究成果報告書」を発行、健康運動指導士が読む「健康づくり」への寄稿、加えて日本体育・スポーツ政策学会やスポーツ精神医学会にも発表する機会を得た。研究成果を、精神障害をもつ当事者とスポーツ推進者に伝え、日本の精神障害者スポーツの発展に貢献できたことは大きい。特に、全8カ国においてサッカーが推進されていたことを明らかにできたことで、数年後にサッカーから国際大会を推進する方向で全8カ国で合意でき、調査を実践現場に生かせたことは意味深い。また、研究成果を精神障害者スポーツ関係者に国際シンポジウムなどの場面で直接伝えることができたことは、研究の目的にある精神障害者スポーツの構造的発展への貢献、支援体制の整備、推進に係わる提言に結び付けることができたと考えられる。 なお、国際シンポジウムが開催される前には、英国、デンマーク、ドイツの関係者を訪問した。特にドイツにおいては、情報が少なかったため、鍵となる関係者を探し出すことができたことは、1年目の成果のひとつであるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度は、アンケート調査から見えてきた疑問などを、より掘り下げ調査対象国の推進状況をインタビュー、資料入手などを通じて得ることにある。特に、2014年4 月に分担者がドイツに出向き、指導者養成制度の詳細について情報を得てきている。大まかなことは2013年で明らかにできたが、2014年はさらにこのような細かい推進システムを明らかにしていくことが求められる。加えて、国際シンポジウム/国際会議を開催したことにより、各国の状況も昨年度と変わりつつあるとの情報を得ている。そこで、2014年度は、下記の流れとともに研究を執り行う予定である。 4月~7月:調査対象国のアポイントメントとできうる限りの情報入手。国際社会学会への発表。8月~9月:対象国への訪問。10月から3月までは調査データの検討を進めながら、学会などへの報告を試み、次年度への報告のとりまとめに向けた情報の精査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
分担者の奥田睦子氏の今年度計画していたドイツにおける調査出張について、先方(ドイツ障害者スポーツ連盟など)と日程調整を行ったところ、平成26年度の春となったため、そのことに係る旅費等分が残った。 平成26年度春のドイツ出張の旅費等に充てる予定である。
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