研究課題/領域番号 |
25350785
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
田中 暢子 桐蔭横浜大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90620162)
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研究分担者 |
菊 幸一 筑波大学, 体育系, 教授 (50195195)
奥田 睦子 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (90320895)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 精神障害者 / サッカー / スポーツ推進 / 国際比較研究 / イタリア / ドイツ / デンマーク / イングランド |
研究実績の概要 |
調査対象国であり、精神障害者スポーツの中で最も革新的なイタリア、またドイツを訪問し、それぞれの国の推進状況について、深く調査を行った。イタリアについては、イタリアの精神障害者サッカー協会の会長と共にイタリアにおける推進状況を視察し、また7団体の機関を訪問しインタビューを行った。また、イタリア側の要請で、これまでの研究成果をもとにし、精神障害者サッカーシンポジウムの基調講演を行った。コーディネーターは、イタリアオリンピック委員会副会長であった。 また、ドイツについても、調査を行った。ドイツについては、指導者育成プログラムの中で、どの疾患が対象となっているかについて調査しただけでなく、実際に活動を行っている団体の訪問もした。 イングランドは、イングランドサッカー協会の精神障害者サッカーの担当者と直接、今後の方向性などを2回、話し合う機会を設けた。特に、2回目は、担当者が来日したため、詳しく話を聞くことができた。 訪問は叶わなかったが、調査対象国であるデンマーク以外にも、韓国、アルゼンチンといった国とは引き続き連携を図った。 これらの調査報告を、国際社会学会で発表、また精神科病院誌にも投稿(出版は、2015年5月)した。また、共同研究者を交え、1年間の研究成果、さらには2015年度の研究の方向性などを話し合った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度の国際シンポジウムが大きい。研究者だけでなく、各国の実践者の顔が見れたことにより、より質の高い調査研究を進めることができている。加えて、イタリア、ドイツ、イングランドといった国と細かな調査を行えたこと、さらには国際学会の発表が大きな評価を得られたこと、加えて、これらの調査結果を研究領域に留めず、実践にも反映し、国内外の実践者と話し合える要素を提供できたことは調査研究が順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2年目にはかなわなかったデンマーク訪問を実現し、3年間のまとめを行いたい。この2年間を通じて、現在行っている研究は、精神障害者のスポーツ推進システムといった単純なものではなく、共生社会構築への提言、健康概念の理解など幅広いものであることがわかった。2年目の終わりに、バチカンの出版部から、精神障害者スポーツに関する本の出版企画を快諾していただいた。3年目の集大成として、本の出版に向け、研究を引き続き進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
障害者のスポーツの省庁の一元化に伴い、予定していた9月の科研研究調査が、文部科学省(神戸大学受託)に費やすこととなり、大幅に遅れた。また、対象国であるデンマークとは日程が合わず、今年度に持ち越さなければならなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
デンマークへの現地への出張、またイングランド、イタリア、ドイツも引き続き行う。また、今年度のバチカン出版部からの本の出版をめざし、資料収集、分析、まとめを行う。
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