本研究は,総合型地域スポーツクラブの育成支援の役割を果たしたNPO型中間支援組織(以下,支援NPO)がスポーツの公共圏を創出していたことを明らかにした.これまでの公共圏は,スポーツ行政の施策を受容するだけの「受容的公共圏」であった.しかしながら,本研究では,支援NPOの活動が能動的な市民たちによる「市民的公共圏」を創出していたことを明らかにした.支援NPOは,既存の制度や慣習から自由に意見表出できる個人を生み出した.こうした個人の集合的行為が公共圏であった.さらに公益財団法人日本体育協会と支援NPOという民間スポーツ組織の相補的関係性が「市民的公共圏」の重要な創出要件であることを読み解いた.
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