研究課題/領域番号 |
25350793
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
藤田 紀昭 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40199344)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 障がい者 / スポーツ / 体育教員養成カリキュラム / ライフヒストリー / 好循環 |
研究概要 |
本年度は脳性まひ者に対するライフヒストリーの聞き取り調査及び大学における障害者スポーツ関連授業の実施状況についての全国調査を行うことが主要な課題であった。前者については調査項目を検討し調査対象者の選定を行ったが協力を得るのに時間がかかったため実施できていない。次年度以降継続的に実施していく予定である。後者については以下のとおりである。 中学校および高等学校の体育教員養成を行っている大学の2013年現在の障害者スポーツ関連授業の実施状況を明らかにすることが目的である。そのために体育教員養成を行っている全国154大学160学部に対してアンケート調査を実施した。アンケート回収数は121、回収率は75.6%であった。主な結果は次のとおりである。 ①障害者スポーツ関連授業を開設しているところが47.9%、開講していないところが52.1%であった。②授業の実施形態は半期、講義形式、2単位、選択としているところが多かった。③選択科目として開設されている場合の履修率は5割以下のところが過半数であった。④国公立大学と私立大学では国公立大学のほうが、学部別では教員養成系学部と経済・経営・産業系学部が、教員養成開始年では1999年までに体育教員養成を始めた大学のほうが障がい者スポーツ関連授業を開設しているところが少なかった。これらの傾向は2008年の金山ら(2010)の調査結果とほぼ同様であった。⑤障がい者スポーツ関連授業を開設している大学の8割以上で、障害に関する知識、障がい者スポーツの歴史と現状、障がい者のスポーツ指導法を授業内容として含んでいる。実技も7割近い大学で実施されていた。⑥障害者スポーツ関連授業を開設していない理由としては担当可能な教員がいないことをあげたところが多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は脳性まひ者に対するライフヒストリーの聞き取り調査及び大学における障害者スポーツ関連授業の実施状況についての全国調査を行うことが主要な課題であった。前者については調査項目を検討し調査対象者の選定を行ったが協力を得るのに時間がかかったたこと、および調査実施者に対する説明を行うのに時間を要したため実施できていない。 後者の体育教員養成を行っている大学に対する障害者スポーツ関連授業の実施状況に関する調査については計画通り実施することができた。アンケート回収率は75%を超えた買い物となり、信頼できる調査結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査に関しては次年度以降も予定されている調査である。実際にインタビューを実施する調査者に対する説明やインタビュー項目の選定はほぼ終わっている。脳性まひ者、脊髄損傷者、聴覚障害者、視覚障害者と順次調査を実施し、研究終了予定の平成28年度までに今年度実施できなかったものを含めて実施していく予定である。 次年度はさらに、障害者スポーツに対する一般国民の意識調査を実施する予定である。これに関してはネット調査を実施する予定である。 これら調査の結果を日本障害者スポーツ学会、日本アダプテッド体育・スポーツ学会、日本障害者体育スポーツ研究会、および体育学会等で成果発表を行い、論文として公表していく予定である。すでに平成26年度発刊予定の「同志社大学スポーツ健康科学」および平成26年度体育学会で今年度の調査結果を発表することになっている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は脳性まひ者に対するライフヒストリーの聞き取り調査及び大学における障害者スポーツ関連授業の実施状況についての全国調査を行うことが主要な課題であった。前者については調査項目を検討し調査対象者の選定を行ったが協力を得るのに時間がかかったたこと、および調査実施者に対する説明を行うのに時間を要したため実施できていない。そのためインタビューに必要な旅費やテープ起こしのための経費を使用していないため差額が生じた。 次年度以降もインタビュー調査を実施する予定になっている。今年度実施できなかったものに関しては、残りの研究期間3年間の中で他の障害種の方のインタビューとともに随時実施していく予定である。その経費として次年度利用する予定である。
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