研究課題/領域番号 |
25350793
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
藤田 紀昭 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40199344)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 障害者スポーツ / スポーツへの社会化 / 企業 / CSR / 障害 |
研究実績の概要 |
今年度は、障害者スポーツ選手に対するインタビュー調査。および、障害者スポーツに関心を持ち、雇用、経済的支援等を実施している企業に対する聞き取り調査を実施した。 障害者スポーツ選手に対するインタビュー調査は車椅子バスケットボール選手3名、シッティングバレーボール選手5名、アーチェリー選手3名、視覚障害(ゴールボール、水泳)2名、電動車いすホッケー2名、脳性まひサッカー3名、水泳(脳性まひ)2名、であった。インタビュー内容は①基本属性、②ライフイベント、③受傷前のスポーツ経験、④障害に関する出来事(体の状態)、⑤障害者スポーツに関する出来事、⑧社会状況、⑨スポーツ充実度である。 インタビュー調査の結果から、スポーツをはじめるにあたっては家族の勧め、同様の障害を持ったチームメイトの誘い、教員等からの影響を受けていることがわかった。また、障害内容や受傷時期の影響を受けていることが示唆された。スポーツの継続に関しては、チームメイトや指導者の支えが大きいことが示唆された。ただし、競技による違いや障害による違いを類型化するためにはさらにインタビュー対象者数を増やす必要がある。スポーツを継続するにあたって必要な支援としては経済的な支援が重要であることが示唆された。また、障害の悪化や体力の低下がスポーツ継続に関しては非常に大きな影響を持っていることが明らかになった。 障害者スポーツに関心を持ち、選手の雇用や支援を行っている3つ企業について聞き取り調査を行った。その結果、企業理念と障害者スポーツ支援を関連付け、会社が障害者スポーツ支援を行うことの意義を明確にしておくことが、社内のコンセンサス得ることや継続的な支援を実施するために必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度までインタビュー調査対象者との調整がうまくいかず調査をなかなか実施することができなかった。その分野や研究調査が遅れている。しかしながら今年度は20名の障害者スポーツ選手にインタビュー調査を行うことができた。障害者スポーツに関心を持つ企業に対する聞き取り調査は順調に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は引き続きインタビュー調査を実施する。面接対象者を増やし、障害主や障害発生時期等による違いを明らかにしていく予定である。さらにリオデジャネイロパラリンピックの実施状況の視察、およびリオデジャネイロパラリンピック後の障害者、および障害者スポーツに対する意識に関する社会調査を実施する。社会調査に関しては2年前に実施した調査と関連させることでこの間の国民意識の変化を明らかにする予定である。当初の研究計画を完了できるようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度インタビュー調査が予定通り行えなかった分繰越が出た。今年度使用額は777,996円で計画していた800,000をほぼ使用している。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度はインタビュー調査をさらに実施するとともに、約2000人を対象とした社会調査(ネット調査)を行う。また、リオデジャネイロパラリンピックの実施状況調査を行う予定であり、最終的には当初の予定通りの支出が見込まれる。
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