研究課題
スポーツの競技場面においては、合目的的な行動遂行のために瞬時の情報処理能力が求められ、この能力の優劣が勝敗に大きく影響する。高い競技パフォーマンスを達成する上で重要な要因となっている状況判断といったワーキングメモリーにおいて、身体的、情動的、認知的要因からの注意メカニズムのもととなるサビタイジングsubitizing(瞬間的な状況判断対象識別数)の基礎的な実験と、それらに大きな影響を与える心理的プレッシャーとパフォーマンスとの関係、ストレス・コーピング(対処法)のための呼吸、皮膚温、心拍を用いたバイオフィードバック・トレーニングに関する応用的な実験を行った。主要な結果としては以下の通りである。1.アイスホッケーにおける具体的な課題を用い、EEGの同定を行い、パフォーマンスとの関連について検討を行った。そこでは、刺激提示構成要素数と反応時間、N2pc、N1、機能局在的な成分としてはCDA成分の関連性を見出し、47th Applied Psychophysiology and Biofeedback in Seattle, USA で発表した。2.心理的プレッシャーに対するコーピングとして比較的長期間にわたり、実際の競技場面におけるバイオフィードバック技法を用いた定量的研究の実証性を高めたメンタルトレーニングとして非接触型の測定機器の導入についての信頼性と妥当性を競技パフォーマンスの側面から検証した。3.感情状態が状況判断という認知行動に及ぼす影響について、焦りといった不快感情が誘発脳波の後期CNVとP300といった成分の増大をもたらし、行動の準備と結果に対する注意を高める(第23回感情心理学会)。4.最終年度の研究成果のまとめとして、「サビタイジングの機能局在の同定と競技能力の関連性について」42頁からなる報告書の作成を行った。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
JOHNS
巻: 31 ページ: 1041-1043
icSports 2015 3rd International Congresson Sport Sciences Research and Technology Support PROCEEDINGS
巻: icSPORT2015 ページ: 126-131