研究実績の概要 |
本研究の目的は、行動変容法を用いて若年女性に対する活動的なライフスタイル形成を目指した階段利用促進介入を実施し、その効果を検証することである。最終年度である今年度は、若年女性の日常的な階段利用を含めた活動的なライフスタイル形成に効果的な介入方略として、これまでに得られた研究成果を確認するため、追加の介入研究を行った。今年度の研究では、近畿圏の女子大学構内にあるエレベーターと階段(20段)が近接している建物を選択した。測定は、人数カウンターを使用した。介入は、介入前期間が2週間、介入期間2週間(サインを設置)およびフォローアップ期間2週間(サインを撤去)であった。介入期間中に計測された階段利用者数は10,517人であった。その結果、介入前期間と比較して介入期間およびフォローアップ期間で階段利用者の有意な増加が確かめられた。本研究における一連の研究結果から、床サインを用いたスモールチェンジを促す階段利用促進介入は若年女性の活動的なライフスタイル形成に有効であることが示唆された。本研究の結果は、The 2017 International Society of Sport Psychology World Congressにて"Using floor sign to promote physical activity in Japanese women’s university"、第7回 武庫川女子大学健康運動科学研究所シンポジウム アクティヴ・ライフスタイルの創造―健康・スポーツ科学の貢献―にて、“エコロサイズ―環境保全と健康づくりを意識した階段利用促進介入―、および第2回 武庫川女子大学 社会還元促進に関する発表会にて、"スモールチェンジを促す階段利用促進サイン―企業の健康経営を推進するツールの提案―"の題目で研究発表した。
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