研究課題/領域番号 |
25350797
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州共立大学 |
研究代表者 |
得居 雅人 九州共立大学, スポーツ科学部, 教授 (00227571)
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研究分担者 |
小木曽 一之 皇學館大学, 教育学部, 教授 (20249808)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 長距離ランナー / 筋腱複合体 / バネ能力 / ランニングエコノミー |
研究概要 |
長距離ランナーの下腿のバネ特性を明らかにするため、日本人およびケニア人長距離ランナーのランニングフォームと下肢の筋腱複合体のバネ特性を比較した。 まず、両者の出場する10,000m競走時のランニングフォームを分析し、接地足の動きを比較した。ケニア人ランナーは、mid- or forefoot strikeの、日本人ランナーはheel- or midfoot strikeの傾向が強かった。ケニア人ランナーは日本人と比較して、接地時足関節角度とブレーキ局面の足部の背屈が大きく、推進局面の底屈が小さかった。ケニア人ランナーはより前足部で接地し、弾むような下腿のバネを使いやすい走法といえる。 次に、下腿の受動的ストレッチ‐随意最大収縮(MVC)課題を行わせ、アキレス腱、ヒラメ筋、腓腹筋の腱複合体の特性を分析した。日本人ランナーは、腱(腱膜)が硬く、疾走動作の足関節の動きと一致していた。ケニア人は、腱(腱膜)が柔らかく、疾走中の足関節の弾むような使われ方と一致していた。しかもケニア人は、長時間伸張されることによって、より腱(腱膜)が柔らかくなったが、それにも関わらず、伸張後のMVCの大きさは変化しなかった。つまり、ケニア人ランナーは、長距離ランニング中、柔らかい足関節のバネを継続して利用でき、結果として、効率よいランニングフォームを獲得していると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本人とケニア人長距離ランナーを比較することにより、下腿の筋腱複合体の弾性を利用した、効率よい走りの特性を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
トレーニング効果を明らかにするための実験を計画中である。 長距離ランナー10名を被験者とし、連続ジャンプ(100回)を行わせる。 動作、地面反力、ジャンプ指標、筋電図を測定。 下腿のバネ能力と持久性および長距離パフォーマンスの関係を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
PCの購入を次年度に延長した。 PCの購入、研究成果の発表に使用する。
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