研究課題/領域番号 |
25350800
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋経済大学短期大学部 |
研究代表者 |
寺田 泰人 名古屋経済大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30221427)
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研究分担者 |
里中 綾子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80632497)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 吊り下げ式トレッドミル / 脳性麻痺者 / 体力 / 歩行 / 分析 / 効率 |
研究概要 |
本研究は、歩行可能な脳性麻痺者がより長く歩行できる身体を保つために、吊り下げ式トレッドミルでの定期的トレーニングを実施し、その効果を体力と歩行コーディネーションの両面から検証する。そして、より効果的な吊り下げ式トレッドミルのトレーニング方法を構築するものである。今年度は、吊り下げ式トレッドミルを活用している研究論文を収集し、吊り下げ式トレッドミルを使用するにあたっての基礎的資料を整理した。また来年度に向けて長期間被験者として実験に協力してくれる協力者を、いくつかの団体及び個人的なルートで探した。被験者に関しては1)地上での歩行動作分析の結果を被験者に伝え、歩行の特徴を被験者自身が把握した上で、現在の歩行状況の問題点を被験者自身が把握・理解できる。2)歩行維持や歩行改善に向けてのトレーニングの必要性を感じている。3)具体的なトレーニング方法を試みたいという意欲と、トレーニング期間内、それに向けて努力できる意思があり、本人の研究協力への身辺環境が整っている。という3項目全てに一致する者を探すことが難しかった。皆無ではないので、被験者を3段階レベルぐらいに分けて、できることをやってもらうようにするかというのが次年度への課題となった。 また、今年度は、健康な成人男性がトレッドミルで歩行~軽いランニングをしてもらい、基礎的資料を得るための測定をさらに行った。その時の動作分析は、歩行動作を2次元映像で撮影し、大腿四頭筋とハムストリングスおよび前頚骨筋と腓腹筋の波形を筋電図によって測定した。しかし、身体を吊り下げた時の高さ調節によって、毎回の測定に誤差が生じたことにさらなる工夫が必要であることが分かったこと、また筋電図測定の部位は、相反する各両筋のコーディネーションをよく観察できるように、更に数回の測定を重ねて正しい位置を決める必要性が指摘された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳性麻痺者のリクルートは、多くの脳性麻痺者と面談し慎重に行う必要があるため、相当の時間がかかると予測されていたが、現段階では被験者候補数は少ないものの、今年度に実施可能な被験者を確保できそうであるという見通しがついたこと。また今年度は簡易式の吊り下げ式トレッドミルを購入することから、現在継続中の健常者の測定回数も増やせる。さらには脳性麻痺者のプレ測定も実施できるから。
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今後の研究の推進方策 |
脳性麻痺者の身体的状態が個々人によって差があるため、脳性麻痺者の吊り下げ式トレッドミルのトレーニング効果を求めるためには、何を基準とすればよいのかを探れるまでに至るかという不安はある。しかし、障害者の体力、トレーニング効果は個々のケースの積み重ねが真実であり、平均化、標準化した数値を出すことの必要性についても今後測定を行っていく上で考えるべき重要な観点であるため、被験者には丁寧な測定を心掛け、一つ一つのデータから読み取れる数値を手がかりとしたい。そこから個々人のトレーニング方法を1件ずつ構築していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の3月にオランダに行き、脳性麻痺の体力に関する本業界トップレベルの研究者との交流を予定していたが、本務校の業務と重なり参加できなくなったため。 次年度は 吊り下げ式トレッドミルを購入することになった。その金額が495000円であったため、その資金の一部として使用したいと考えている。
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