スキージャンプ選手を対象とした踏み切り動作の風洞実験および2次元画像解析の結果から,合成重心の速度変化(水平方向:Vx及び鉛直上向き方向:Vy),6分力計から得られた力の積分値,そして空気力の積分値を求めた。Vx及びVyの最大値(0.82及び2.59m/s)に対する抗力及び揚力の影響を速度とそれぞれの空気力の積分値との比で求めるとVxに対して抗力は-96.7%,Vyに対して揚力は15.9%の割合を占めていた。すなわち,水平方向への床反力によって発揮された速度は空気抵抗によって約半分程度に減少させられ,鉛直方向の床反力による上昇速度には揚力による速度増大効果が示された。
|