本研究では、高分子神経ペプチドを回収可能なペプチドダイアイリシス法を用いて、生物時計中枢である視床下部視交叉上核(SCN)の液性出力因子であるAVPの概日リズムを測定し、in vivo条件下でAVPの機能解析を試みた。雄性野生型マウスを用い、12時間明・12時間暗の明暗周期、恒常暗下で2-4日間飼育し、ダイアリシスサンプルを回収した。プローブがSCN先端に接していた一部のマウスでは、明期前半にAVP濃度が上昇する概日リズムが観察されたが、多くのマウスではプローブの挿入位置に関わらずAVP濃度に明瞭なリズムは検出されなかった。今後、技術面でのさらなる改良が必要と思われる。
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