研究課題/領域番号 |
25350810
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
小山 勝弘 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30313779)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | カロリー制限 / 間歇的絶食 / 運動 |
研究概要 |
予防医学的効果が多岐にわたり検証されている運動と40%カロリー制限に加え,間歇的絶食単独の効果について基礎的知見を収集し,さらに間歇的絶食を施す際の総摂取カロリーと等しいカロリー制限の影響について検証することを目的とした. 被験動物は15週齢Wistar系雄ラット(n=30)とし,12時間明暗サイクルで飼育した.被験動物は無作為にコントロール群(n=6),運動群(n=6)コントロール群の摂取量に対する40%カロリー制限群,一日おきに絶食日と摂食日を繰り返す間歇的絶食群(n=6),および間歇的絶食群が摂取日に示す摂取量の50%に摂取カロリーを制限した群(n=6)の計4群に分類し,12週間の観察を行った. 12週間の飼育期間終了後,48時間の絶食後に各種試料を採取し,肝臓に関して,DNA修復酵素(OGG1 mRNA発現レベル,MTH1 mRNA発現レベル),長寿関連遺伝子(SIRT1 mRNA発現レベル),および転写活性化補助因子(PGC-1α mRNA発現レベル)を測定した.その結果,次のような興味深い知見を得ることができた.間歇的絶食を施すと,コントロール群の20%程度のカロリー制限となることが分かった.長寿関連遺伝子や転写活性化補助因子の発現は,食事介入を行った3群全てでコントロールに比べて有意に亢進した.その活性化の程度に,カロリー制限の程度の差(40% vs 20%)は現れず,間歇的絶食においても同様であった.飼育期間中の体重は,40%カロリー制限で激しく低下するのに対し,間歇的絶食や20%カロリー制限では過度の低下は観察されなかった. これらの結果を元に,次年度は運動と食事介入の交互作用に関して検討を進めていく予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画通りに研究が遂行されており,またその成果も次年度の研究へ効果的に引き継がれるものとなっている.具体的には,運動,カロリー制限,および間歇的絶食の単独作用に関してそれぞれ評価が完了している.さらに,間歇的絶食を施した場合の総カロリー摂取量と同等のカロリー量を摂取させるカロリー制限の影響についても,極めて貴重なデータを取得済である.
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画にある通り,今後の研究を実施する予定である.間歇的絶食の有用性が初年度に確認されたため,これと運動との交互作用を中心に検討を行っていく. しかし初年度に,運動単独の影響が大きく顕在化しなかった結果を受けて,運動負荷の方法に関しては文献研究によって改めて検討し,分子マーカー等の応答性が期待できる介入内容に改変して研究を推進していく.
|