研究課題/領域番号 |
25350817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
管原 正志 長崎大学, 教育学部, 教授 (20039564)
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研究分担者 |
田井村 明博 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 教授 (10136624)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 中高年者 / 暑熱環境 / 寒冷環境 / 体温調節反応 / 内分泌 / 免疫 |
研究概要 |
平成25年度は、暑熱・寒冷環境適応下での安静及び運動中の体温調節反応、浸透圧、ホルモン及び免疫動態の検討である。被験者は、中高年者(60歳代)のウォーキング実践者男子10名(ウォーキング群)、水泳実践者男子10名(水泳群)及び対照者として運動を実践しない男子10名(対照群)である。実施時期は7~8月に暑熱暴露テスト、12月~1月に寒冷暴露テストを行った。人工気象室内条件は35℃(暑熱暴露)及び15℃(寒冷暴露、服装は長袖に長ズボン着用)、相対湿度60%とした。運動負荷条件は、座位安静60分後、自転車エルゴメータにて50%Vo2maxの運動負荷で30分間実施し、安静時、運動30分終了直後、回復30分経過時に発汗量、平均皮膚温(全身4ヶ所の皮膚温)、心拍数、鼓膜温、乳酸、ヘマトクリット値、カテコールアミン、好中球の活性酸素産生能をそれぞれ観察した。 安静時の各測定項目は、暑熱暴露及び寒冷暴露ともにウォーキング群、水泳群及び対照群ほぼ同様であった。運動時の各測定項目については、暑熱暴露の運動後の発汗量はウォーキング群、水泳群が対照群よりも多く、平均皮膚温はウォーキング群、水泳群が対照群よりも低く抑えられていた。カテコールアミンはウォーキング群、水泳群が対照群よりも亢進していた。寒冷暴露の鼓膜温、平均皮膚温は運動終了時(30分経過時)及び回復30分においてウォーキング群、水泳群が対照群よりも高く維持し、カテコールアミンも同様に亢進していた。好中球の活性酸素産生能はウォーキング群、水泳群、対照群との差はないが、運動後に増加傾向にあったのは暑熱暴露、寒冷暴露で同様であった。各群の運動中の体温調節反応は、暑熱暴露及び寒冷暴露でウォーキング群、水泳群が対照群よりも良好であり、習慣的な身体運動が体温調節に影響を及ぼしていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで運動を日常的に実施している中高年者の体温調節について、実験室での検討を行った。その結果、運動実践者の体温調節反応が良好であることが指摘できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、温熱負荷条件を変えての観察を行い中高年者の特性を解明し、quality of life(QOL)の向上に繋げたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
集計用のパーソナルコンピュータを購入予定であったが、次年度より所属機関が変更となるために購入を控えたこと、及び研究調査旅費の増額が必要となったため。 集計用のパーソナルコンピュータを購入予定。
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