研究課題/領域番号 |
25350820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
藤井 久雄 仙台大学, 体育学部, 教授 (90275587)
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研究分担者 |
白川 仁 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40206280)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 時計遺伝子 / 肥満 / 高脂肪食 / 運動 / エネルギー代謝 |
研究概要 |
(25年度)実験1 「一過性運動がラットのエネルギー代謝と概日リズムの制御機構に及ぼす影響」 検討事項① 高脂肪食・肥満モデルラット:6週間の高脂肪食摂取により、体重や内臓脂肪量が対照ラットと比べて有意に増加しているかを確認する。そして、その際、概日リズムの制御機構の時間遺伝子の1日の位相が対照ラットと比べて乱れがあるかを確認する。 高脂肪食は同じ摂取エネルギー量の食事であるにも関わらず、体重や内臓脂肪量を有意に増加させた。その原因として、体内時計を司る時計遺伝子の発現量の低下が考えられる。夜型時計遺伝子群のBmal1およびClockの遺伝子発現は明期(ヒトでいう夜)に最も高くなり、暗期(ヒトでいう朝)に最も低くなることが知られている。肝臓のBmal1の遺伝子発現をみると、暗期においてHF群がCON群に比べて有意に低下していた。先行研究では高脂肪食継続摂取により時計遺伝子発現量が低下したと報告しており、本研究の結果と一致した。その一方で、ClockおよびPer2(明期にピークとなる時計遺伝子)の肝臓における遺伝子発現は、統計学的に差はみられなかったが、HF群の遺伝子発現はCON群と比較して低下傾向がみられた。つまり、摂食行動、睡眠覚醒サイクル、エネルギー代謝など多くの生理機能に関与している体内時計が高脂肪食継続摂取により乱れてしまったため体重、内臓脂肪量の有意な増加につながったと推察した。以上のことから、高脂肪食の継続摂取は体内時計の乱れが一要因となり肥満を助長すると推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(25年度)実験1 「一過性運動がラットのエネルギー代謝と概日リズムの制御機構に及ぼす影響」 検討事項① 高脂肪食・肥満モデルラット:6週間の高脂肪食摂取により、体重や内臓脂肪量が対照ラットと比べて有意に増加しているかを確認する。そして、その際、概日リズムの制御機構の時間遺伝子の1日の位相が対照ラットと比べて乱れがあるかを確認する。 本実験は研究実績の概要のように終了している。 検討事項② 一過性運動により、肥満モデルラットのエネルギー代謝と概日リズムの制御機構の標的遺伝子群の発現量やタンパク質が影響を受けるかを検討する。 本実験の進捗状況であるが、動物飼育が終了し、設定した測定項目を測定中である。
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今後の研究の推進方策 |
(25年度)実験1 「一過性運動がラットのエネルギー代謝と概日リズムの制御機構に及ぼす影響」 検討事項② 一過性運動により、肥満モデルラットのエネルギー代謝と概日リズムの制御機構の標的遺伝子群の発現量やタンパク質が影響を受けるかを検討する。継続的に設定した測定項目を測定する。そして、25年度分の成果をまとめる。 (26年度)実験2 「継続運動(トレーニング)がラットのエネルギー代謝と概日リズムの制御機構に及ぼす影響」 検討事項① 継続運動(トレーニング)により、高脂肪食・肥満モデルラットのエネルギー代謝と概日リズムの制御機構の標的遺伝子群の発現量が影響を受けるかを検討する。動物飼育を行ない、設定した測定項目を測定することで26年度分の成果をまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
(25年度)実験1「一過性運動がラットのエネルギー代謝と概日リズムの制御機構に及ぼす影響」 検討事項② 一過性運動により、肥満モデルラットのエネルギー代謝と概日リズムの制御機構の標的遺伝子群の発現量やタンパク質が影響を受けるかを検討する。 本実験の進捗状況であるが、動物飼育が終了しているが、、設定した測定項目を測定中であるため、実験試薬キット類、実験用プラステック製品類等の発注に滞りが生じた。 25年度分(注文残)および26年度予定していた実験試薬キット類、実験用プラステック製品類等の測定用消耗品の追加購入。さらにリアルタイムPCR用分析ソフトおよびPCのバージョンアップ費用として使用予定である。
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