一定の時間内にだけ摂食可能なラットは、その給餌時間の前に回転カゴの回転数が増える。しかし我々は餌を高脂肪食に変更すると、この自発運動の増加が消える事を発見した。制限時間内の摂取カロリー量は、高脂肪食の方が大きいから、この自発運動は餌を求める行動であるとする従来の考えと矛盾する。この現象を手がかりに、ラットの自発行動と摂食量の関係を解明する予定であったが、現大学へ移動後この現象が再現できず、本格的な実験に入れなかった。しかし回転カゴと摂食量自動測定装置を両方備えたケージを用いた結果、この自発運動量の増加に、人が摂食量を測定する事に関連した条件反射の成分が大きい事がわかった。
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