研究課題/領域番号 |
25350834
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
長谷川 裕晃 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90344770)
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研究分担者 |
杉山 俊博 秋田大学, その他部局等, 名誉教授 (00127242) [辞退]
伊藤 佐知子(上村佐知子) 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40271829)
夏井 美幸 秋田大学, 医学部, 助教 (60227527)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | マイクロバブル / ゼータ電位 / 気泡収縮 / 圧壊 / 動物実験 / 気力回復 |
研究実績の概要 |
気泡実験では、これまでの成果で、マイクロバブルの電気的特性(ゼータ電位)が、気泡の収縮挙動に影響を及ぼすことを明らかにした。ゼータ電位の高い気泡では、収縮速度が遅くなり、気泡寿命が延びる。その際、ゼータ電位の違いで、収縮時の気液界面の様子が変化し、収縮速度の違いとして現れる。こうした電気的特性の違いで、気泡消滅時(圧壊時)に生じる違いを調べる。圧壊現象は、超音波で外部から刺激を与えることで調べるために、超音波照射セルの製作を行った。凹面振動子の集束超音波を使用し、焦点位置に気泡を導入する。そのために、製作したセルでの、集束点をハイドロホンを使用して調べた。集束点でのパワーに、気泡を導入するためのセルの材質が影響することがわかった。そこで、実際に気泡を導入し、気泡に影響を及ぼすために必要な超音波パワーを、セルの種類を変えながら検討し、次年度の測定を実施する予定である。
動物実験では、実際の抗うつ薬の開発時に使用される抗うつ病動物実験モデル試験法のマウス強制遊泳試験を用いて、マイクロバブルの電気的特性の違いが、生理的有効性に及ぼす影響を調べた。マイクロバブルの内包気体に炭酸ガスを使用した際のマウスの気力回復効果は、遊泳試験後のマウスの血中成分分析から確認しており、内包気体を空気に変えた際の気力回復効果を調べた。その結果、ゼータ電位の高い気泡を使用した強制遊泳試験後のマウスの血中成分分析では、より高いゼータ電位のマイクロバブルで、高い気力回復効果が得られた。また、その際、マウスの有働時間が減少し、一般的にリラックスした際に見られる現象が確認できた。この詳細に関しては次年度に検討していく。さらに、次年度はこうした生理的有効性を、人間の被験者を使用し、健康増進効果として調べる計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
気泡実験においては、超音波照射セルの製作、特に超音波の集束点付近に気泡を導入する方法で多くの検討事項が生じ、実験準備に時間がかかっているが、想定内の範囲と考えている。動物実験においては、気泡特性をいろいろ変えた状態でのデータが取得できており、当初の計画より、やや進んでいる。被験者を使用した実験においても、具体的な実験計画まですでに完了している。
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今後の研究の推進方策 |
気泡実験に関しては、超音波を気泡に照射した際の気泡ダイナミクスをマイクロバブルのゼータ電位、内包気体を変化させて調べる。動物実験に関しては、気力が回復するメカニズムまで踏み込んで検討するとともに、マイクロバブル浴でのマウスのリラックスとみられる行動から、癒し効果の評価に関しても行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験でデータ取得の効率性を考慮し、一部の実験を次年度にまわしたため、それに伴い経費の一部を次年度に移行した。
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次年度使用額の使用計画 |
当初予定の次年度の計画に、先送り分のデータ取得を追加して実験を実施する。
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