研究課題/領域番号 |
25350839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
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研究分担者 |
渡辺 隆一 信州大学, 教育学部, 教授 (10115389)
友川 幸 信州大学, 教育学部, 助教 (30551733)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 発達資産 / 青少年 / ラオス / タイ / 文化 / 海外調査研究 / 国際学校保健 |
研究概要 |
ラオス、タイにおける青少年の発達資産の質問紙を作成するに当たり、まずラオスにおいてルアンプラバンとビエンチャンにある国立大学の学生と教員を対象に、インタビュー調査とオープン・クエッションによる自記式調査を行った。発達資産を直接質問するのは困難であるため、まず「ラオス人にてとって良い大人とはどのような特徴がありますか」と良い大人の特性を明確にした上で、そのような大人になるために子どもや青少年に必要な経験や資質は何ですか」と質問をした。 その結果を、Search InstituteとDevelopmental Assets Inisiativeによる発達資産の構成概念を参照して、分類を行った。個人、家族、学校、地域と資産を社会的次元に区分することは難しかったが、内的資産と外的資産に分けることは可能であった。また、外的資産を構成する要素として、Support、Empowerment、Rule, norm and Expectations、Constructive Use of Timeに相当する回答が得られた。しかし、この領域の資産に関する回答は比較的少ない。内的資質に関する回答は、Commitment To Learning、Positive Values、Social Competencies、Positive Identityの領域に分けることができた。いずれも、内容的にはラオスの社会文化を反映した回答がみられたものの、新たな発達資産を構成する要素といえる回答はまだ見つかっていない。 その後、さらにサヴァナケートの国立大学で教員養成の学生を対象に、自記式の質問紙調査を実施し、回答を翻訳中である。また、タイにおいては、マヒドン大学の教授を研究協力者に得て、国内での状況を調査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラオスにおいて、発達資産という概念を理解してもらうことが、難しく、適切な回答を得るまで試行錯誤したこと。ラオス語による調査であるため、英語に翻訳する必要がある。しかし、十分な英語の能力を持つラオス人が少なく、マンパワーが限られている。この用に予備調査に時間を要した。 タイでは、調査を行うには、研究倫理審査の申請を行わなければならず、その準備が必要であるのと、研究協力者が多忙であり、年度末は打ち合わせできる時間を確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在翻訳中のラオスの自記式調査の分析を行い、昨年度に整理した枠組みと照合し、質問項目の作成を行う。それにより、ビエンチャン、ルアンプラバン、サバナケートの中学校、高等学校で調査を実施する。 タイでは、まず倫理申請を行い承認を得る。その後、ラオスの予備調査をもとに、研究協力者と検討し、タイ語版の調査票を作成する。バンコク市内の中学校、高等学校を中心に調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
ラオスの教員用成系大学の学生を対象に行った自由記述式の発達資産に関する質問紙調査の翻訳が進んでおらず、翻訳者にラオス語から英語への翻訳料として謝金が支払えなかったため。 現在翻訳を行っており、完成した場合に、翻訳者にラオス語から英語への翻訳料を支払う。
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