研究課題
研究目的は,意思決定能力の実態,及び危険行動,積極的健康への関連性を明らかにするための調査票を開発し,中高生を対象に全国調査を行うこととした。意思決定能力尺度の開発のため,同能力に関する内外の先行研究をPubMed,医中誌,CiNii等から収集し,調査内容や尺度を明示する論文や著書10編に絞り,調査対象,測定目的,内容領域・下位尺度,危険行動等との関連について分析した。また,分担研究者は,分析結果に対する意見を述べた。それらの結果を踏まえ,意思決定のステップ,行い方の自己評価,自主性・自立性等7つの内容からなる35項目の調査票を作成した。調査票には,併存的妥当性検証のため,刺激欲求性,自己抑制,衝動性の尺度,及び意思決定が関わる行動,安全に関わる危険行動を含めた。以上は「青少年の危険行動と意思決定能力の関連性に関する文献研究」の演題で発表した(第63回日本学校保健学会,2016年11月)次に,上記の35項目の意思決定能力尺度,関連要因である自己制御認知,刺激欲求,衝動性制御から予備調査票を作成し,A市内の公立中学校2校の中学2年生約200人を対象に調査した。その結果,意思決定能力項目は20項目程度に整理可能で,同尺度は自己制御認知,刺激欲求と有意な関連が認められた。以上は「中学生の意思決定能力と危険行動との関連性-尺度開発及び予備的調査の企画-」として口頭発表した(第10回日本セーフティプロモーション学会,2016年12月)さらに,予備調査結果を踏まえ本調査票を作成し,B市内公立中学校5校の1~3年生約1700人及びC市内県立高校1~2年生約600人を対象に調査を行い,意思決定能力の実態,危険行動等との関連性を分析した。以上は「中学生の意思決定スキル-構成因子,及び生活行動,心理的特性等との関連性-」として発表を受理された(第26回日本健康教育学会,2017年6月)
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)
学校保健研究
巻: 58 ページ: 283-292